「育ててもすぐ退職」一括採用の破綻が招く事態 卒業後すぐ就職できず若年層の失業率は上昇も
一方、長期的には新卒一括採用がなくなるという予想。こちらは、「将来も続けたいが持続不可能」という見解が多数と「積極的にやめるべき」という見解が少数ありました。
「当社は今後も新卒一括採用を中心にする方針ですが、持続可能かと聞かれると疑問です。すでに、予定数を採用するのが難しくなっており、質の低下に目をつむっている状態です。今後ますます少子化が進むことを考えると、ある程度の質を維持しながら新卒一括採用を続けるというのは不可能でしょう」(食品・役員)
「当社の経営陣は、事業をグローバル展開すると言いながら、日本人学生の新卒採用にこだわっています。しかも苦労して採用し、手間暇かけて育成した新人が1、2年でどんどん辞めています。個人的には、そんな無駄なことをするよりも、外国人の中途採用を中心にするほうが合理的だと考えます」(外食・担当者)
結局、「将来のことはよくわからない」という結論になるわけですが、これでおしまいにしてはいけません。人事部門関係者は、以下の3つの質問について熟考する必要があります。
① 自社のビジョン・経営戦略を実現するためには、どういう人材が必要か。
② 必要な人材を確保するには、「新卒一括採用し、異動・OJTで育成する」のと「即戦力を中途採用する」のでは、どちらが効果的か。
③ 必要な人材を「新卒一括採用し、異動・OJTで育成する」のと「即戦力を中途採用する」のでは、どちらがトータルコストが低いか。
働き方改革・コロナ・人手不足といった環境変化を受けて、雇用システムが大きく揺れている昨今。逆に、これまでなかなか変えられなかった雇用システムを見直すチャンスと捉えて、思い切った改革を進めたいものです。
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