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ジム・ロジャーズ「日本の食は今後、危なすぎる」 世界的投資家が見通す「食の安全保障」

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農作物をより安価にするためには、生産量を増やすことも重要だ。そのためには人手を増やすことが必要になる。農業大国・アメリカでは、積極的に外国人労働者を雇って人手を確保している。この点においては、日本はアメリカをロールモデルにするべきだ。

漁業が抱える課題も、農業と同じ

食料自給率という点では、農業だけではなく、漁業についても考えておく必要がある。

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「日本は島国という地の利を生かし、漁業でよいポジションをとれるか?」という問いに対しては、私は必ずしもそうではないと答える。なぜなら、日本の魚は非常に高価だからだ。

たとえば北朝鮮においても日本と同じような魚介類がとれるが、非常に安価だ。おそらく北朝鮮はその魚を中国に売り、中国はそれを「中国産」と呼んで売っているだろう。

ここで課題になるのが、農業と同じく「誰が担い手になるか」である。国内の担い手は、平成から今まで絶えず減少している。1988年から2018年までの30年間で約60%も減少し、15万1700人となってしまった。解決のための選択肢は、

1. 少子化に歯止めをかけて、子どもを増やす
2. 移民を積極的に受け入れる

この2つだ。漁業従事者を増やすことと、漁業の収益性および魅力の底上げが重要だ。

近ごろ、日本政府は「毎年6万9千人の外国人を受け入れる」と言ったが、総人口1.25億人に対して、これはとてつもなく低い数字と言わざるをえない。受け入れる外国人を増やすことに加えて、彼らに永住権だけではなく国籍も与えるなどの工夫が必要だ。

食料自給率を上げることは食料安全保障のうえで不可欠だが、そのためには農業や漁業の担い手を育てることが欠かせない。国内に担い手が乏しいなら、海外に求めるべきだ。私は日本を愛し、この国の食べ物が大好きだ。日本の食文化を守るためにも、食料自給率向上を目指し、今すぐ行動してほしい。

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