子の「話す英語」習得を重視する親に伝えたい盲点 人気講師「関正生」が教える、小中学生の学習法

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簡単なのは、技能(活動)から絞っていくことです。「読む・聞く・書く・話す」のうち、どれが好きか、好きまでいかなくても抵抗がないかを探ります。ここで1つ挙がったからと言って、すぐにそれに飛びついてはいけません。例えば「読む」という行為1つをとっても、以下のような切り口があるからです。

「英語を読むのが好き」の背景にある動機の例
●読むための目標がある(例:英語のマンガを読みたい)
●成績に直結する
●英語の音が綺麗だから楽しい
●日本語とは違った文字を読む行為が楽しい
●みんなの前で発表するのが好き
●発音をほめられたことがある

こういった理由は無限にありますが、見極めるポイントは2つあります。1つは「表面的な理由だけに終始しない」ことです。上に挙げた例のうち最後に挙げた発音などは「話す」ことだと思われますが、もしかしたら「読む」の背後にあるかもしれないのです。

「読むのが好き」と言われても、上のようにさらに深掘りしていく必要があるのです。できるだけ「なぜ?」「どこが?」「どういう気持ちだった?」などの質問を重ねてみてください。

「好き」は2つ以上の技能にまたがる可能性が高い

もう1つは「読む・聞く・書く・話す」の技能だけでスパッと切れるわけではなく、2つ以上の技能にまたがる可能性が高いということです。

単に「読むのが好き」と言われると、「それなら英語の本をたくさん買いに行こう」となりがちです。ただ、もしお子さんが「みんなの前で読むのが好き」な場合、その理由は「発音をほめられたから」「なんとなく達成感があるから」「学校の課題で成績に直結するから」「試験では問われないのでプレッシャーがないから」などがあります。この中で例えば「発音がほめられたから」なら「話す」だって好きになる可能性はあります。

また「話すことが好き」といっても、「外国人とのコミュニケーションが好き」とは限らないのです。「きれいな発音が披露できるから」という場合だってあるからです。

わかりやすくいえば、「コミュニケーションが好き」ならオンライン英会話が有効でしょうが、「綺麗な発音を披露したい」なら自分でYouTube動画を上げていくことが好きになるかもしれません(もちろん動画アップは一例で、それを勧めているわけではありません。同じ「話すことが好き」といっても、やること・やりたいことがこれだけ違ってくるということを今はお伝えしたいのです)。

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