「社員のキャリア形成に熱心な会社」トップ150社 「人への投資」を本当に実践している会社はどこか

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4位は三菱UFJフィナンシャル・グループ(95.2点)。メガバンクではトップだ。本人の希望に基づき、始業・終業を最大1.5時間前後できる時差勤務制度のほか、育児・介護等の理由がある場合は遅出・早退を認める制度を導入。一部の行員を対象に、勤務日数を週3~5日から選択できる制度を導入するなど、働き方の柔軟化を推進している。

5位は日本電信電話(NTT)(95.1点)だ。グループのイントラネットでボランティア休暇制度等の周知を行うほか、募集や参加後アンケート等を共有して活動の活性化を図る。社会課題解決をテーマとした事業立案コンテストを開催するなど、事業と社会課題解決の融合にも取り組む。

そのほか、6位シスメックス(94.6点)、7位サントリーホールディングス(94.4点)、8位MS&ADインシュアランスグループホールディングス(94.3点)、9位第一生命ホールディングス(94.2点)10位にNECとNTTドコモ(94.0点)がランクインした。

プラチナキャリアの実践事例

最後に、前回のプラチナキャリアランキング2022年版の評価を基に審査された第4回「プラチナキャリア・アワード(企画:三菱総合研究所未来共創イニシアティブ、三菱UFJ信託銀行)」(最優秀賞:双日 優秀賞:カゴメ、サッポロホールディングス、シスメックス、ベネッセホールディングス、ユニ・チャーム、LIXIL)の受賞・応募企業からプラチナキャリアの実践事例を紹介しよう(本ランキングの評価を基に審査される第5回「プラチナキャリア・アワード」の詳細はこちら)。

双日はジョブ型雇用の新会社「双日プロフェッショナルシェア(SPS)」を設立。35歳以上の希望する社員は、SPSへ転籍し、双日での勤務を継続しながらグループ外の仕事に挑戦できる。SPSの定年は70歳で勤務日数・時間・場所を柔軟に設定できるほか、副業や起業も可能だ。

サッポロホールディングスは、オリジナルの研修などをとおして、社員が安心して働ける「心理的安全性」への理解浸透を全社で推進している。また、キャリアのロールモデル提供を目的に、対象とする社員のこれまでのキャリアをまとめ、「マイキャリアマップ」としてイントラネットで公開している。

ブラザー工業は、RPAやAIなどの技術を活用し、定型業務の自動化・効率化に取り組む。AI人材育成プロジェクトを立ち上げたほか、IT技術などの独自認定制度や社内コンテストを開催するなど、業務効率化と新しいスキルを学ぶ機運を高める取り組みを両立している。

日本航空は、2018年からOODA(観察・方向づけ・決定・実行)ループを「JAL OODA」として社内に導入し、自律的人材の育成に注力している。実際に、部署横断のアイデア創出コミュニティ「クロメン」、社内ベンチャーチーム「W-PIT」など、事業につながる取り組みへと拡大している。

昨今は「人への投資」「人的資本投資」というフレーズが先行しているが、具体的な取り組みに関する議論はそこまで深まっていない。本ランキングは、年齢に拠らず社員が活躍できる「長期的視点」に立った取り組みを行いつつ、社員の「自律的学び」を喚起して絶えずスキルを磨ける環境を整備し、それを社内だけでなく「社会への貢献」という広い視点で発揮できるように意識醸成に取り組む企業に焦点を当てている。上位企業の取り組みは、「人への投資」の好事例といえるだろう。

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