ホンダ「N-VAN」電動コンバート車、実用化の難題 既存車種の電動化でEV普及は加速できるのか

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MEV-VAN Concept
ガソリン車のN-VANをベースに、エンジンから電動モーターとバッテリーにコンバートした試作車MEV-VAN Concept(写真:ホンダ技研工業/筆者撮影)

2030年までにグローバルで30種類におよぶ4輪車EV(電気自動車)の発売を予定するホンダが、すでに販売中のガソリン車を電動化するパワーユニットシステムを搭載した試作車「MEVバン コンセプト(MEV-VAN Concept)」を発表した。

同社の軽商用バン「N-VAN(エヌバン)」をベースに、エンジンを電動モーターとバッテリーに換装したのが同試作車。ホンダは、同じくN-VANをベースに、新型の軽EVを2024年春に発売予定であることも発表しているが、今回の試作車はそれとは別の試みを行っているのだという。

では、一体、今回発表されたモデルは、どんな仕様で、どんな狙いがあるのだろうか。試作車が展示された「第13回【国際】スマートグリッドEXPO」(2023年3月15日~3月17日・東京ビッグサイト)で取材した。

ホンダの軽商用モデルN-VANとは

N-VAN
ベースになっているホンダN-VAN(写真:本田技研工業)

会場に展示された試作車の外観は、一見するとほぼノーマルの状態で、普通に街中を走るN-VANと変わらない。おそらく、同モデルのラインナップのなかでも、商用として使われることが多いベースグレードの「G」か、ミドルグレードの「L」を使っているのだろう。

な開口部と広い室内
N-VANの大きな開口部と広い室内(写真:本田技研工業)

ちなみに2018年に発売されたN-VANは、ホンダが誇る軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」を擁するNシリーズに属する軽商用モデルだ。燃料タンクを前席の下に配置する独自の「センタータンクレイアウト」を採用することで、荷室の床を低くし、広い室内空間を実現。2列目シートはもちろん、助手席も床に収納することが可能で、さまざまな荷物が積載できるフラットで広い荷室スペースを作れることなどが大きな特徴だ。

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