「高学歴層が増える中国」が迎えうる"意外な未来" "現代最高の知性"が予言する「新しい全体主義」

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(提供:朝日新聞社)
「世界最高の知性」の一人と言われるエマニュエル・トッド氏。「ソ連崩壊」から「金融危機」まで数々の歴史的出来事を予言してきた彼が、パンデミックにおける中国のあり方をどう分析したのか? 『2035年の世界地図──失われる民主主義 破裂する資本主義』に収録されたトッド氏の新たな予言を特別に公開する。

「新しい種類の全体主義」の可能性

──パンデミックの危機は、特に先進国において、分断を加速させるような形で民主主義の危機をもたらしている。そうお考えのあなたに、中国についてもお伺いしたいと思います。

エマニュエル・トッド:パンデミックへの対処において、中国共産党による事実上の独裁である権威主義体制が民主主義より優れている、という中国の主張についてどう思われますか?

私たちが見てきたのは、新しい種類の全体主義システムの可能性です。

中国という国家、つまり共産党や警察部門、主語をどう表現すべきかは迷ってしまいますが、たしかに彼らはロックダウンなどの実行に成功しました。ある意味、信じられないことです。

興味深いのは、ロシアで起きたことは、中国と正反対だったことです。どちらも権威主義の伝統を持っていますが、コロナに関する限り、ロシア政府は国民をまったく制御できませんでした。

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