ベンチャーの「過剰な資金調達」が危険な理由 一流VCが説く正しい「ラウンド」での調達とは

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いくら資金を調達すればいいのか。アンドリーセン・ホロウィッツのマネージング・パートナーが教える正しい答えとは(写真:Olivier Le Moal/PIXTA)
事業を大きくしたい起業家であれば誰もが通るであろうプロセスに、資金調達がある。シリコンバレーの著名なVC(ベンチャー・キャピタル)、アンドリーセン・ホロウィッツの最初期のメンバーであり、起業家としての経験も持つスコット・クポール氏の著書『VCの教科書』から、資金調達の際の基本的な問いについて、3回に分けて考えていこう。
VCから資金調達すべきかどうかを論じた第1回に続き、今回は第2回となる。

正しい資金調達のための考え方とは

前回は、VCから資金調達すべきかどうかの判断基準について議論した。今回は、VCから資金調達すると決意したとして、いくら調達するべきかについて考えよう。

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答えは、「次の資金調達ラウンドのために必要になる重要な中間目標(マイルストーン)まで、安全に到達できるだけの資金を調達すること」だ。

言い換えれば、現在の資金調達ラウンドで資金を集めるときには、次の資金調達ラウンドのことを考えるようにと、わたしたちはよく起業家に助言する。

前回のラウンド以降に達成したことがきちんと反映された金額で、投資家から資金を獲得するために、何が必要になるだろうか?

それにはいろいろ説明する必要があるので、少しずつ解説していこう。

一般に、アーリー・ステージの起業家は1年ごとから2年ごとに新たな資本を調達する。

このタイムフレームは絶対ではないが、スタートアップの世界の一般的な慣習を反映しており、事業が充実した発展を遂げるための妥当な期間を示すものだ。

したがって、最初の資金調達ラウンド(シリーズAラウンドと呼ばれる)で資金集めをする場合、シリーズAよりも(できたら)高いバリュエーションで次の資金調達ラウンド(シリーズB)で資金集めができるように、マイルストーンにたどりつくまで十分活動できるだけの金額を調達したいと思うはずである。

ではそのマイルストーンとは?

それは企業のタイプによって大きく異なる。

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