親の受験体験は活きる?
〇 まっさらな気持ちで子どもと一緒に中学受験に向き合う
SAPIX小学部に通う子どもの保護者のなかには、自分の受験時代と比較して、子どもが「できていない」と考える保護者は少なからずいます。
ここで立ち止まって考えてほしいのですが、お父さんお母さんが最後に受験をしたのはいつのことでしょうか?
大学受験でしょうか? 高校受験でしょうか?
いずれにしても、中学受験と高校受験・大学受験とでは、子どもの発達段階に大きな差があります。それに付随して、保護者の関わり方もまったく変わるものです。
例えば、「私は親に勉強しなさいと言われなくても真面目にコツコツ勉強して、志望大学に受かった」とおっしゃっているケースがあります。しかし、その高校3年生だった頃の記憶をもとに、小学生の子どもに向き合うのは酷(こく)というものです。
子どもだって、大学受験のときには同じ程度に自立して勉強に向かうでしょう。
比較自体あまり意味がない
「いえ、私は自分の中学受験の記憶で接しています」という保護者もいるかもしれませんね。しかし、やや辛口かもしれませんが、思い出とは美化されるものです。また、時代が異なり、問題の傾向や勉強の仕方も変わってきているので、比較自体あまり意味がないことだといえます。
冒頭でも触れましたが、親世代の中学受験では、とにかく暗記して覚えることに重点を置かれることが多かったのです。しかし、今は考える力を試される問題が増えています。この点でも、親世代の知識や経験がそのまま活かせるものではないと考えたほうがよいでしょう。
それよりは、まっさらな気持ちで子どもと一緒に学んでいく心構えでいたほうが、親子双方にとって利点があるといえるでしょう。
のんびりしている子は、中学受験に向いていない?
〇 子どもが「やってみたい」なら挑戦する
中学受験はチャレンジしてみないとわからないことが多くあります。「うちの子はのんびりしているから中学受験は向いていないんじゃないかと思うんです」と相談されることもありますが、正直なところその答えは誰にもわかりません。挑戦してみなければわからないのです。
水泳が得意か苦手かは、泳いでみないとわかりませんよね? 上手に音程が取れるかは、歌ってみないとわかりませんよね?
受験勉強もそれと同じです。勉強をしてみたら、飲み込みが早かった、また、切磋琢磨する環境を実は楽しめるタイプだったということは往々にしてあります。
保護者が子どもについてよく理解していることは事実ですが、すべてがわかっているわけではありません。親子でまったく違う特性をもっていることもあるでしょう。お父さんお母さんのモノサシで測ってしまうのがもったいないケースも多いのです。受験に挑戦する前からストップをかけてしまっては、子どもの可能性をつぶしてしまうことになります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら