松山キャスター:1000兆ベクレルというのは、いま貯蔵されている処理水総量の合計か。
細野氏:合計値だ。それを何十年もかけて放出すると言っているのだから、安全基準としては世界でも最も厳しいレベルで出すことになる。ぜひ皆さんに分かってもらいたいのは、現状これ以上放置できないこと。もう大熊町側は全部埋まっている。このままいくと、双葉町側に新しいタンクを作らなければならない。でも、あそこは取り出した燃料デブリや、さらには焼却施設を作って廃棄物を処理する場所として空けておかなければならない。万が一、ここで処理水を出せないと、廃炉作業そのものに非常に大きなブレーキがかかる。それは誰も望んでないはずだ。原発作業員はタンクの水漏れがないかを毎日点検して回っている。台風や竜巻などが来ると漏洩するリスクもある。そういうリスクを取るよりは、きちんと処理をして、国際原子力機関(IAEA)のチェックも経て安全性が確認できたものについては海洋放出する選択肢以外にない。そのことを福島の皆さんにも分かってもらいたいし、福島以外の方々には、(処理水放出に)反対することはおかしいという声を上げてもらいたいと強く思う。
政治家への信頼が失墜している背景と処理水問題
小川氏:あえて言いたいが、今の世界の文明をああいうトリチウムの排出で支えているわけで、それを否定するわけにはいかない。しかし、それが安全だと言い切るのは、長い影響(を見れば)、わからない。「基準はそうだ(満たしている)」と言うのにとどめるのが誠意ある態度ではないか。とは言え、では、沼津に持ってきて流そうとか(にはならない)。橋下さんがかつて大阪湾に流せばいいのではないかと(言っていた)。凄い度胸だ。皆で毎日(処理水の)風呂に入ろうと言ったって、それは気持ち悪さ、不安があるのは当然のことだ。やはり基準を冷静に説明することだ。もう一つ、なぜ政治家の言葉が信用されないのか。福島で大量に発生している放射性廃棄物や除染廃棄物について30年間中間貯蔵すると言っているが、皆、それは本当なのかと思っている。その場その場、その時その時のご都合主義で政治家の言葉がタラタラと流れていくので、根本的に信用できないというのがベースにある。そのことは大いに意識すべきだ。
細野氏:政治家が信頼されないことに関しては、私らもしっかり考えなきゃならない。しかし、政治の仕事は一つ一つ結果を出していくことだ。処理水ついては残念ながら先延ばしできない。しっかり決断することがいま政治の最大の役割だ。
松山キャスター:政府は春から夏にかけて海洋放出方針だ。どう説明するかが問われている。
