「原発再稼働」電気代高騰の中で議論したい論点 自民・細野氏と立憲民主・泉代表が激論交わす

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松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):電気料金の値上げ申請の状況を見ると、複数の原発が稼働している関西電力や九州電力は値上げ申請をしていない。原発が動いていないところが値上げ申請をせざるを得ないという構図が見える。

世界中でエネルギーの取り合いをしている

細野豪志氏(元原発相、自民党衆院議員):原発が動いているところは電気料金が低いのは厳然たる事実だ。ただ、国全体として原発の再稼働をしなければならない理由はこれだけではない。世界を見るべきだ。いま世界中でエネルギーの取り合いをやっている。LNGは引っ張りだこだ。日本もそこに参入している。欧州が一番苦しいが、実は見えないところで途上国がエネルギーを得るのに苦しんでいる。そういう状況で、日本には動かせる電源施設があるのに動かしていないことを我々はもう少し自覚すべきだ。原子力規制委員会が厳格に審査をして動かせるものは動かしていく。そのために政府としてやるべきことをやるというのは国際的な責任だ。

松山キャスター:政府は、原発の運転期間延長や、次世代原子炉の開発・建設という新しい方針を出している。これまでの政策の大転換とも言われている。小川さんは、将来的には原発のない社会を目指し、原発の新設・増設は認めない方針か。

小川淳也氏(立憲民主党前政調会長):立憲民主党内では、新設やリプレースなどは認めないという声が圧倒的に強い。私もそういう意見だ。運転停止期間分だけ運転期間を延長できるという議論になっているが、減価償却はしていく。安全面に問題がある施設ほど運転できていない。そういう施設ほど長く動かせるというのは矛盾している。エネルギー価格高騰対策が目の前の電気代・ガス代の引き下げに偏りすぎではないか。住宅の断熱化や再エネ活用の推進(もやるべきだ)。ドイツなどは各家庭の電力使用量について節約を促すインセンティブを効かせている。省エネや構造改革を進めていくような価格高騰対策を合わせてやるべきだ。

橋下徹氏(番組コメンテーター、弁護士、元大阪府知事):小川さんが「卒原発」ということについては、政治家の理想、考え方としてはありだ。2011年、僕が大阪市長の時に細野さんと大激論した。当時の原発の安全性の仕組み、原発行政の中で、大型商業原発をどんどん推進していくのはもうやめるべきだということは細野さんとも合致した。ただ、政治は悪い部分を改めていく。新しい安全基準ができ、原子力規制委員会もできた。新しい原発の技術の可能性まで政治が排除していいのか。大型商業原発は改める、原発行政も改める。小川さんの考え方でいくと、新しい原発技術まで全部否定してしまう。新しい原発技術からまた違う技術が生まれるかも分からない、違うイノベーションが生まれるかも分からないものを閉ざしてしまうのではないか。

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