「原発再稼働」電気代高騰の中で議論したい論点 自民・細野氏と立憲民主・泉代表が激論交わす

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橋下氏:そういう議論を専門家を交えて最終決定に持っていってもらいたい。再生エネルギーのキーポイントは蓄電だ。バッテリーのコストをどう下げるかというところもある。ただ、野党が政権を担う政党になるためにも、国家としての選択肢のカードを政治家が勝手にどんどんどんどん捨てていくというのには少し不安を感じる。新しい技術、新しいチャレンジの芽生えを奪ってしまうような方向というのは(いかがか)。どうしても野党は理想を掲げて、そこへまっしぐらになってしまう。与党は現実の選択肢を抱え込みながらやっていく。現実をもう少し強調した発想も必要なのではないか。

細野氏:歴史をもう一回きちんと検証すべきだ。世界はエネルギーをめぐって戦争してきた。エネルギーを供給できない国家は弱体化するしかない。場合によっては崩壊する。もちろん高い目標を掲げるのは悪いことではないが、ロマンではできない世界がある。現実にどういう選択肢があるのかを見極めて、将来にあらゆる選択肢を残す。これがいまの政治の責任だ。

(画像:FNNプライムオンライン)

処理水問題

橋下氏:与党としてずっと逃げてきたのは、使用済み核燃料の最終処分場の問題だ。1970年に原発の火が灯った時に、ワンセットでやるといったことが60年経っても解決できていない。政府が前に出るといっても全然前に出てきていない。原子力発電環境整備機構(NUMO)などに任せるのではなく、与党が気合入れて、ある意味、与野党、野党も含めてだが、政治家が場所まで決めなければいけない。

松山キャスター:その最終処分場の問題と合わせて海洋放出される処理水問題をめぐる議論をこの後やりたい。

梅津弥英子キャスター(フジテレビアナウンサー):福島第一原発をめぐり大きな決断が下されようとしている。処理水の貯蔵タンク数が1000基を超え、敷地内に保管可能な貯蔵量の96%に達している。政府は処理水の海洋放出を春から夏ごろに開始したい意向だ。処理水はトリチウム以外の放射性物質を取り除き、基準値以下にしたもの。海へ放出する際は、国の基準の40分の一、世界保健機構(WHO)の飲料水基準の7分の1まで海水で薄めて放出する方針。福島第一原発では処理水でヒラメを育てているが、細野さんはご覧になってどうだったか。

細野氏:去年第一原発に行ってきた。このヒラメを食べさせてほしいと頼んだが、まだダメだということだった。

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