日本の公立を「結果責任制」で変えよ! 花まる学習会・高濱代表に聞く
もしかしたら過去に、先生の判断でプールに入った子が後から体調を崩して、保護者が学校に怒鳴り込んだようなことがあったから、そんなルールができたのかもしれません。でも今やルールが優先されすぎて、先生たち自身がすごく窮屈になってしまっています。
結果責任にすれば、学校は変わる!
ハンコのことに限らず、学校や先生の責任を回避するための仕組みが強くなりすぎたせいで、先生たちを逆にがんじがらめにしてしまっていることが、とても多いのです。
――それは、非常に感じます。
だから僕は、そういう枠組みを一度取っ払うべきだと思っています。これを言うと、すごく誤解や反発を受けやすいのですけれど、方法のうちひとつは「結果責任」にしてしまうということです。結果さえ出れば「途中のやり方は、先生がどんなふうにしてもいいですよ」としてしまう。そうしたら、いろんなことが変わると思うのです。
たとえばオランダでは、小学校を誰でも作ることができます。その代わりに、3年とか5年で結果が出なければ、つまり人が集まらなければアウト、というルールです。そういう形でやったほうが、結局は先生の幸せにもつながると思うんですよね。もっとイキイキとした、魅力的な大人として子どもの前に登場できるはずです。先生ももっと、自分自身の意見を言っていいと思いますし。
――なるほど。目指すものをはっきりさせておけば、やり方はおのおので自由に選べますよね。
そういうことです。まずは学力についてだけ考えたほうがいいでしょうね。たとえば「3年生が終わったときに3年生の力がついていなかったらアウト」というような、本当にシンプルなルールでいいと思います。
そうすると「低位の子どもたちをどうするのか?」という話が必ず出るのですが、でも僕たち塾は子どもたちを低位にさせないためのノウハウを持っていますから、それを使えばいいのです。
先生たちも「あ、この基準をクリアすれば合格なんだな」ということが見えてくれば、「それならそっちのほうがいいです!」と思うはずなのです。そうしたら先生同士で模擬授業をやって、いいところを取り入れ合ったりするようになるでしょう。
でも、それだけのことが、全然、動かないんですよね。だからそこは、僕はもう討ち死にしてもいいから、最初にドアを開ける役割をやれればいいかな、と思っています。
――覚悟をされているのですね!
していますよ、だって人生って短いですからね。国の教育を変えなかったら、今、世界中で起きているテロとか、そういう大変な事態にもつながるとも思っています。才能があるのに教育の機会に恵まれなかったら、人間は恨み続けますから。
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