日本の公立を「結果責任制」で変えよ! 花まる学習会・高濱代表に聞く

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やっぱり最初からスタート地点が違うというのは、よくないと思うのです。少なくとも、教育だけに関しては。

本当にやる気さえあればいちばん上に行けて、自分がみんなをリードする側に回れる、という仕組みがなければいけません。

「私立に行かなければ」という現状への危機感

日本はもともとそういうところがすごく得意だったんですけれどね。地域ごとに篤志家がいて、学べる場を作るとか、見込みのある子どもにおカネを出して東大まで行かせて、その子がいつか戻ってきて地域に貢献するとか、そういう仕組みが実際にあったのです。

それが今は、完全に二極化してしまいました。「私立の中高一貫校に行かなかったら、もういい大学には行けない」というふうになってしまった。それは危ないと思うのです。だからやっぱり「公立校を上げないと意味がない」と僕は思っています。そもそも僕が塾を始めたのも、そこが出発点なので。

――わたしもシングル親で私立に行かせるのは難しい状況なので、公立の学校を上げてもらえるのは、とてもありがたいです。

公立校のレベルが上がって、みんなに平等にチャンスがあるようになれればいいんですよね。全体を上げるのは、やっぱり公立しかありません。

――ところで、私がこの本を読んでものすごく共感したのが、「先生たちが疲れ果てていて、保護者と“生身”で付き合うことができていない」という指摘です。私も先生たちを取材した際、すごくそれを感じました。

そうなんですよ。ほんの40年ぐらい前までは子どもたちって、先生に学校で怒られたら、家でもう一回親に怒られていました。それくらい教師が信頼されていた、ということです。それが30年くらい前から、すっかり変わってきてしまいました。

訴訟があったりして、先生たちが守りに入ってしまったのです。その「へっぴり腰感」を、母親たちはすごく嫌うんですよ。「かみつかれたくない」みたいな姿勢だから。

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