「東京一極集中」に貢献している地域ランキング 東京デッドエンド化は誰が生み出しているのか
人口動態を専門とする筆者の予想どおり、2022年は転入数が転出数を上回る「転入超過数」(移動による人口の純増)で東京都が3.8万人となり、再び首位に返り咲きました。2021年にはコロナ感染防止のための都道府県間の移動制限の影響をうけて6位(1位から神奈川、埼玉、千葉、福岡、大阪)にまでいったん転落しましたが、バブル崩壊後の1997年に男女合計で転入超過エリアとなって以降、不変の転入超過による人口集中はとどまることがありません。
人口問題において、いまだに地元の転入超過総数が「増えた、減った」だけで議論しているエリアが散見されますが、そのようなどんぶり勘定の議論では、東京都の1997年から(女性は1996年から)続く四半世紀にわたる人口一極集中を止めることは不可能といってよいでしょう。
このようなどんぶり勘定での人口議論を見直していただくためにも、巷で言われる「東京一極集中」について今回は、「いったい、どこから東京にやってくるのか」について、データ分析結果をお伝えしたいと思います。
東京との人口綱引きに勝利したエリアはわずか3エリア
分析には「住民基本台帳」を用いているため、東京都に住民票を移す直前の住所地(道府県)での分析結果となります。また、同じ道府県が東京都に送り出した人口と東京都から受け入れた人口は相殺されます。あるエリアと東京都の人口綱引きで勝ったエリア、負けたエリアのランキング、ということになります。
2022年に東京都との人口綱引きで勝利したエリアは、46道府県中わずか3エリアという残念な結果となりました。
2022年の1年間で、東京都は43エリアとの人口綱引きに勝利し、6.3万人の転入超過となっています。一方、埼玉県、神奈川県、千葉県との人口綱引きには負けて2.5万人が転出超過となりました。つまり、この差額となる3.8万人の人口が東京都に転入超過となったわけです。
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