「最初にどこに就職するか」ですべては決まらない 「違うな」と思ったら、また選び直せばいい 

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日米ともに今の若い世代は「最初の就職は重要」と深刻に考えすぎる傾向があると話す松岡陽子氏(撮影:俵山忠)
グーグルXの創設や、ガレージベンチャーだったネストを成長させるなどの経験を積み、グーグル、アップルの副社長などの要職を務めた後、現在はパナソニック ホールディングスの執行役員兼ヨハナCEOを務める松岡陽子氏。これまで数多くの人生の選択をし、それを通じてたくさんのことを学んできたという。
3月に発売した著書『選択できる未来をつくる』の中で、「真剣に考えて選択し、全力で打ち込むことが大事。でも、しばらくして『あっ、これじゃない』と気がついたら、また選び直せばいい」と語る松岡氏は、日米ともに今の若い世代は「最初の就職は重要」と深刻に考えすぎる傾向があると話す。

人生は何章もある1冊の本のようなもの

カリフォルニア大学バークレー校で、6000人の学生に向けての卒業スピーチを頼まれたときのことです。

『選択できる未来をつくる』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

ご存知のとおり、大学の卒業スピーチではこれから社会に出ていく学生たちにゲストがありったけの想いを込めてエールの言葉を贈ります。スタンフォード大学の卒業式で「Stay hungry, stay foolish」と締めくくったスティーブ・ジョブズの名スピーチが印象に残っている人も多いでしょう。

ステージの上から偉そうに話すのは性に合わないので、私はカフェでたまたま隣り合わせた人とおしゃべりするように、ごくカジュアルに始めました。

「今日は卒業式です。夜はみんなで飲みに行って、さんざん酔っぱらって楽しむことでしょうね。私のことも『ああ、ヨーキー・マツオカとかいう人がしゃべりに来たけど、内容は忘れちゃった!』となるかもしれません」

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