資金繰りに窮する会社と乗り切る会社の決定的差 「無借金経営」でも手元資金が乏しいのは怖い
新型コロナウイルス、ロシア・ウクライナ戦争などの影響で、会社を取り巻く環境は厳しさを増しています。このような環境下で、会社の社長、とりわけ中小企業の社長は、5年後、10年後、そして30年後も会社が持続し、社員とその家族が安心して幸せな生活を営めるよう、まさに命がけで日々、会社を運営しています。
しかし、一部の会社は厳しくなっていく環境下において、「解散」「破産」「夜逃げ」など、カタチこそ違いますが、会社として死の状況に追い込まれています。
会社の命脈が尽きる最大の原因は、「資金繰り倒産」です。
資金繰り倒産とは、手元のお金がなくなって、仕入れ先に仕入代金を支払えない、社員に給料を支払えない、金融機関に借入金の返済ができない、といった状況に陥って倒産することです。
そのような状況にならないためには、金融機関からの融資を受ける必要があります。
拙著『資金繰りに困らない! 融資を引き出す60のコツ』でも詳しく解説していますが、資金繰り倒産しないように金融機関から融資を受けるコツを、お金を貸す側(銀行員)と、お金を借りる側(中小企業の社長)の両方を経験して身につけたノウハウをもとにお伝えします。
借りられる時に借りておく
「手元資金100万円の無借金の会社」と、「手元資金9000万円で借金1億円の会社」があったとして、みなさんはどちらの会社が安全だと思いますか?
生活する一個人の肌感覚では、実生活で触れることのない「億」という金額単位の借金を抱える会社のほうに大きなリスクを感じ、「無借金」という言葉の響きに安心感を抱くと思います。
生活者目線のこの肌感覚は、とても大事です。しかし、現実のビジネスの世界では逆です。
100万円という金額は、事業を営んでいれば、あっという間になくなってしまう金額です。手元資金が100万円では、会社としては怖くて何もできません。
一方、借金が1億円あっても手元にお金が9000万円あれば、事業を発展・拡大させる方策はたくさん考えられます。
たとえ借金が1億円あっても、現金9000万円を手元に持っているほうが会社としては断然強いです。
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