資金繰りに窮する会社と乗り切る会社の決定的差 「無借金経営」でも手元資金が乏しいのは怖い
「晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を貸さない」
という言葉を聞いたことがありますか? これは、金融機関の融資の姿勢を揶揄する言葉です。
「傘」=「お金」、「晴れの日」=「業績が良い時」、「雨の日」=「業績が悪い時」のことを例えています。
つまり、「業績が良く、お金がたっぷりある時にはお金を借りてくれとお願いするのに、業績が悪くなってお金が必要になった時にはお金を貸さない」という金融機関の融資姿勢を皮肉ったものです。
この言葉に対する私の見解は、「半分は正解」です。
金融機関の最大の収益源は「融資」です。金融機関は“返済に懸念のない取引先にどんどん融資したい”というのが本音で、晴れの日に傘を貸したいのは事実です。
一方、雨の日には傘を貸さないのかというと、一概にそうとは言い切れません。
金融機関は数が多く、競合が激しいので、雨の日に傘を貸さないという風評が立つと、その金融機関は中長期的には立ち行かなくなります。
ですから、今は雨でも、いずれ晴れになる可能性があれば傘を貸す、というのが実態です。
しかし、それを知ったからといって安心してはいけません。
なぜなら、天気の「雨」はいずれ必ずやみますが、業績の「雨」はずっとやまない(=倒産する)可能性があるからです。
では、中小企業はどうすればいいか?
私は、「晴れた日に大きな傘を借り、雨が降ったらその傘で雨をしのぎ、晴れたらまた大きな傘を借りる」ことをお勧めします。
「会社が借りたい時にいつでも借りられる」と考えるのは、楽観的すぎます。金融機関が貸したいと思っている時にこそ、借りられるだけ借りておくのがいいのです。
金融機関からどのくらいまでお金を借りてもいいのか
「必要以上に融資を受けても、支払利息が多くなってもったいない。融資はできるだけ少ないほうがよい」
この考え方は正しいでしょうか?
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