パリ発スーパー「ビオセボン」日本で伸長のワケ 流通・小売りでオーガニックが注目されている
なお、量り売りはそもそも、個包装をしなくて済む分環境負荷を低減できる。今井氏によると、80gずつをビニールの袋に詰めて売った場合に比較し、年間2トンのプラスチック削減効果があるそうだ。同時に包装にかかるコストも抑えられるわけである。
ビオセボン・ジャポンでは日本人のニーズに合わせ、最小購入単位を20gと小さく設定した。商品にもよるが、30〜40円から購入できる。
上記のように、ビオセボンの「バルクフーズ」は日本の消費者に、「オーガニックは楽しい」と印象づけたのだ。
消費者の豊かな食生活、生産者も豊かになる循環
また、消費者が「オーガニックはおいしい」と気づくきっかけとなったのが、農産物、とくに根菜だそうだ。
「根菜は土に触れている期間が長く、野菜本来の生命力が味となって感じられる」(今井氏)という。
そのほか、商品の中でも人気なのがオーツミルク(植物性ミルク)、ローチョコレート、ヴィーガンスプレッド(パンやクラッカーに塗って食べる食品)など。
オーツミルクはヘルシーな食品として流行している食品だ。その中でも恵比寿店で人気No.1のイソラビオの商品は、同社からイオンにも販売しているため、イオンでも手に入れられる。
ローチョコレートは「Raw=生」とあるとおり、できるだけ火を通さず製造したチョコレートのことだ。ビオセボンの人気商品、カカオクルードのローチョコレートではカカオの天日乾燥に始まる製造工程全体を通して45℃以上の加熱を行わない。カカオ豆が本来もつ果実味を残した香りと味わいが特徴だ。
ヴィーガンスプレッドは味のラインナップが豊富なほか、使い切りサイズであるところが人気の理由だそうだ。
「従来、『義務』とか、『食への不安』など、どちらかと言えばネガティブな感情がオーガニックを求める動機となっていた。当社はそうでなく、日常的に気軽に、おいしさや見た目の美しさ、小分けにも対応できる容量などを付加価値として提供したい。消費者の食生活が豊かになり、オーガニックの市場が広がって、結果的に生産者も豊かになるという循環を回していくのが目標」(今井氏)
生産者と手を結んだSDGsの取り組みにも力を入れている。例えば「レイ・ブータン レモングラスティー」(700円)は、貧困率の高いブータンの支援のため、豊富に採れるレモングラスを日本の会社が現地会社と提携しお茶として商品化したものだ。ビオセボンも販売を通じ理念への共鳴を表するとともに、現地の支援を目指している。
また「オーガニックベジート」(430円)は、規格外野菜を海苔の技術で丸ごとシート状にしたもの。具を入れて巻いたり、トーストに挟んで食べるなど、手軽に野菜が摂れるだけでなく食品ロス削減にも貢献できる。
では、従来のオーガニックの課題となっていた価格の高さについて、ビオセボンではどのようにクリアしているのだろうか。
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