パリ発スーパー「ビオセボン」日本で伸長のワケ 流通・小売りでオーガニックが注目されている
ビオセボンは2008年にパリで創業、現在はヨーロッパ各国に展開している。日本ではフランスのビオセボン親会社とイオンとの合弁会社でスタート後、現在はイオンのグループ会社となっている。2016年、麻布十番に1号店をオープン、2018年に銀座、六本木に展開後都内を中心に出店を加速し、現在27店舗とオンラインストアを展開する。
店名は日本人にとっては言い慣れないが、フランス語で「ビオ(有機)はボン(いい)」という意味だそうだ。
ビオセボンの特徴は「オーガニックを日常に」とのコンセプトのとおり、気軽に利用できるところだ。冒頭に描写したように、海外のスーパーやマルシェを巡るように楽しく買い物できる。従来のような「有機食品は難しい」というイメージはまったくない。
また価格も、例えば野菜1つとっても、近所の大手スーパーのものとそれほど変わらない。
価格についても「気軽」を実現できているわけだ。
その理由としては大手スーパーチェーンであるイオンの流通を活用できていることなど、いろいろあるが、その説明は後に回し、まずはコロナ禍で業績を伸ばしている理由について聞いた。
流通・小売りでオーガニックが注目されている
前述の今井氏によると、同社は日本上陸以降年4店舗のペースで店舗を増やしてきたが、2020年から商業施設のテナントとして声かけが増えるなど、「潮目が変わった」と感じているそうだ。
「業界全体が『オーガニックをどう取り込むか』という視点に変わってきた。またお客様にも、コロナで外食を自粛している間に当店で買い物をして『意外に安い』『野菜がおいしい』などの気づきがあった。これらが口コミやSNSなどで広がった結果、利用につながっているとみている」(今井氏)
今井氏の説明にもあったように、流通・小売業界ではオーガニックが注目されているようだ。
日本で最もよく知られるナチュラルハウス(1982年設立、13店舗)に加え、こだわりや(1987年初出店、46店舗)、自然食品F&F(1992年初出店、28店舗)、ライフが展開する「ビオラル」(2016年初出店、7店舗)など、品ぞろえも多く普通のスーパーと同じように利用できる店が増えてきている。
なおこれらは都下や近郊、大阪など出店は限られているが、多くはオンライン通販にも対応している。
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