夢はある?「R-1グランプリ2023」見所を徹底解説 今年の大会は「ギャガーVSフリップ芸」に注目だ

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また、2021年、2022年のM-1で準々決勝進出を果たすなど賞レースで結果を残し、「大喜利」「モノマネ」「歌」など即興ネタの実力が試される『千原ジュニアの座王』(カンテレ)でも、高いポテンシャルを発揮している。

個人では、サツマカワRPGが先月開催された制限時間30秒のお笑いバトル「ザ・プラン9爆ノ介presents『東京初上陸!!!BDB~爆裂地肩バトル~in ルミネ』」で初参戦ながら準優勝を果たすなど、勢いに乗っている。

一方のYes!アキトも、両手でハンドルをひねるようにして繰り出す「ダァ~ブルパチンコォ!」をツカミとする精度の高いギャグで知られ、ピン芸人でありながら『ツギクル芸人グランプリ2021』で準優勝するなど、その実力は折り紙付きだ。

Yes!アキトは、昨年の大会でハリウッドザコシショウから「ギャグの羅列は評価に値しない」とのコメントを受けギャグを封印。彼らが今大会でどんな活躍を見せるのか。非常に楽しみである。

フリップネタ、最大の壁はバカリズム

新勢力の“ギャガー”を迎え撃つのが、今やR-1の定番ジャンルとなったフリップネタだ。今大会では、寺田寛明、田津原理音がこれを得意としている。

寺田は、3年連続決勝進出の常連組。2021年に10位、2022年に6位と順位を上げてきている。

これまで「ダイナマイト関西」「転脳児杯」といった多くの大喜利大会で活躍し、自身でも毎月の大喜利イベント「大喜利千景」を主催するなど、言葉遊びを突き詰める芸風はそのままネタへと反映されている気がしてならない。

寺田寛明(画像:R-1グランプリ2023公式サイトより)

とはいえ、審査員のバカリズムは、ある時期からフリップネタを封印したことで知られる芸人だ。

2021年6月に放送された『お笑い実力刃』(テレビ朝日系)の中で、「僕じゃなくてもいい」「1人でコントをやってる人に比べて楽をしている感じがあった」とその理由について語っている。

もちろん、あくまでも自分自身の芸に対する見解であり、「フリップネタの人のことを言ってるわけじゃない」と強調していたが、審査員の立場で横並びと判断した場合には不利に働く可能性が高いだろう。

今年、寺田はフリップネタを進化させて挑んでいる。当日は、その覚悟が笑いの量に反映されることを期待したい。

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