夢はある?「R-1グランプリ2023」見所を徹底解説 今年の大会は「ギャガーVSフリップ芸」に注目だ
初出場の田津原は、2018年から2度の準々決勝、3度の準決勝敗退を経て、念願の決勝進出となった。
同じフリップネタでも、論理的でクールな寺田とは種類が異なる。観客の雰囲気をうかがいながらフリップをめくり、引っ掛かりのあるフレーズやイラストのボケに対して声を荒らげたりフリップを叩きつけたりしながら、表情豊かにツッコミを入れていく。
ネタの面白さで勝負する寺田と、演者のリアクションで笑わせる田津原。当日はどちらに軍配が上がるのか。注目したいところだ。
勢いに乗る賞レース組、ラパルフェ都留
昨年の賞レースで話題となったカベポスター永見、コットンきょんが決勝に残ったのも今大会の大きな特徴だろう。
ブレークした勢いのまま、翌年のR-1ファイナリストになる。これは、キンタロー。やブルゾンちえみ(現・藤原しおり)らを含め以前からあった“旬な芸人枠”と言えるが、前年の賞レースで注目を浴びた芸人が選ばれるのは、ここ数年の傾向だ。
『M-1グランプリ2018』優勝前からR-1ファイナリストになった霜降り明星粗品を除けば、『M-1グランプリ2019』決勝進出を果たしたすゑひろがりず南條、『女芸人No.1決定戦 THE W 2020』で優勝した吉住、『ツギクル芸人グランプリ2021』王者となった金の国渡部おにぎりがこれに当たる。その意味でも、昨今のR-1は緊張感が増しているように思う。
この流れの中、『M-1グランプリ2022』でファイナリストとなったのが永見だ。結果は惜しくも8位に終わったが、昨年、『ytv漫才新人賞』『ABCお笑いグランプリ』と関西の賞レースで立て続けに優勝した実力は伊達ではない。
ネタの構成力に定評があり、落ち着いたトーンで見る者を徐々に引き込んでいく。リアリティーのある空気感が観客にハマれば、王者となる可能性も十分ある。
一方のきょんは、『キングオブコント2022』で準優勝となった。大会で見せた「浮気の証拠を隠滅する業者」「タバコの吸い方が特徴的な女性」だけでなく、「卒業後の生徒に覚えられていない担任教師」「通夜でガツガツ食べる会社の同僚」など、どんな役でも器用にこなし、ポイントポイントで着実に笑わせる演技力を持っている。
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