ゴールドマン・サックスのように、全員をオフィスで働かせるのがいいのか。それとも、カナダ年金制度投資委員会のように、場所の面での働き方の選択肢をたくさん用意するのがいいのか。
ビジネスの世界には、「仕事はどこにいてもできる」という考え方に転換しているリーダーもいれば、社員全員がオフィスに集まることを求めるリーダーもいる。また、柔軟な勤務時間を受け入れているリーダーもいれば、核となる時間帯(たとえば、午前9時~午後5時など)に業務を行うことを求めるリーダーもいる。
どの考え方が正しいのか。社内にどのような職種があり、どのような人的ネットワークが形づくられていて、どのような人たちが働いているかは、それぞれの会社によって異なる。企業がどのような働き方のデザインを選択するかには、働く場所・時間と生産性の関係に関する考え方が反映されている。
生産性はひとりひとりの働き方で決まる
ゴールドマン・サックスが全社員にオフィスへの出勤を求めたり、カナダ年金制度投資委員会が毎年3カ月間好きな場所で働くことを認めたりする背景にも、この点に関するそれぞれの組織の考え方がある。ゴールドマン・サックスの上層部は、全員が同じ場所で働くことを働き方のデザインの核に据えていて、カナダ年金制度投資委員会の上層部は、ひとりひとりが異なる場所で異なる時間に働くことの好影響を期待している。
働く場所と時間について検討するうえでは、あなたの会社が「集合型/分散型」なのか、「同時型/非同時型」なのか、そして「活力/集中/連携/協力」のどれに向いているのか、ということを検討しておくべきだろう。
その選択によっては、生産性に対してプラスの影響(+)だけでなく、マイナスの影響(-)が及ぶ場合もある。そのため、働き方の設計においてはしばしば、一方を立てれば他方が立たないトレードオフの関係が生まれる。
あなたの会社で生産性を支える要素を後押しするには、働く場所と時間の選択肢をどのように組み合わせるのが最善なのか。それは、リーダーだけでなく、働くひとりひとりが考えて実践しなければならないことだ。
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