「いい夢をみたい人」が実践すべき"就眠の儀式" 起きているときの"ある行動"が夢に影響する

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

寝室は快適な睡眠を重視した間接照明などが用意されたくつろげる空間で、ある程度外部からの光や音を遮ることができたほうがいいです。布団は重すぎず、中がちょうどよい温湿度に保てるものを準備しましょう。

1万人の夢を分析した研究者が教える今すぐ眠りたくなる夢の話 (ワニブックスPLUS新書)
『1万人の夢を分析した研究者が教える今すぐ眠りたくなる夢の話』(ワニブックスPLUS新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

布団に入る前にはトイレに行っておきます。膀胱に尿がたまる感覚によって早朝覚醒しないようにするためです。加えて尿がたまるとトイレにまつわる夢をみてしまいそうです。

眠りの環境周りを調査すると、「寝る前にスマホを見ている」と答えた人が多く、SNSや動画を観ながら眠りに落ちるのをルーティンにしている傾向がみえてきました。どうしてもスマホでネットを楽しみながら一日を終えてしまいがちですが、いい夢のためには脳や目への負担は極力避けたいところ。夜更かしや浅い眠りの原因にもなります。

一方で、パジャマやアプリなど睡眠をよりよくするためのこだわりが強くみられたのはいいですね。生活のリズムを乱してしまう近頃だからこそ、睡眠に対してプラスになる最新の技術を取り入れて、睡眠の問題解決へ役立てていきたいものです。

睡眠のための条件付けをルーティン化

② 寝る前の就眠儀式

いい夢見のためには、寝る前の簡単なリラクセーション法も有効です。これは、呼吸法と筋弛緩法を組み合わせたもので、まず体の一部分ごとに力を入れたあと、筋肉を弛緩させることを繰り返します。

漸進的筋弛緩法の一例では、手のひら→腕→肩→背中→首→顔→腹→足→全身の順におこないます。最終的に、自分が安心できるリラックスした体の状態で自然な鼻呼吸をしながら、脱力させる動作とともにその脱力感をじんわりと味わいます。

就寝前に好きな音楽やゲームを楽しむ場合は興奮しすぎないものがいいと思います。さらにはアロマなど好きな香りを焚たくのもいいでしょう。

つまり、寝る前に心地よい睡眠のためのルーティンを自分なりにつくることが大切です。同じ行動が繰り返されると脳内のニューロンの電子信号が速く伝わるので、睡眠のための条件付けをルーティン化することで眠りを誘うと考えられます。

松田 英子 東洋大学社会学部社会心理学科教授

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

東洋大学社会学部社会心理学科教授。お茶の水女子大学文教育学部卒、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得満期退学。博士(人文科学)。専門は臨床心理学、パーソナリティ心理学、健康心理学。産業カウンセリングとスクールカウンセリングを臨床のフィールドとしている公認心理師、臨床心理士である。著書に『夢想起メカニズムと臨床的応用』『夢と睡眠の心理学―認知行動療法からのアプローチ』(以上、風間書房)、『眠る』(二瓶社)、『図解 心理学が見る見るわかる』(サンマーク出版)など。睡眠の改善から心の健康を高めることに関心がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事