JR・大手私鉄、コロナ禍「人件費削減率」ランキング 運転費、線路保存費、償却費など項目別に調査
まず、2019年度における鉄道各社の鉄道事業の費用水準について見ていく。各社間の比較を容易にするため、各社の営業費を営業キロで割って1営業キロ当たり営業費を算出した。
1営業キロ当たり営業費が最も大きいのは東京メトロ。次いで2位東急、3位京王、4位小田急、5位京急、6位相鉄と続く。
JRではJR東海の11位が最高で、JR東日本が16位、JR西日本が19位、JR九州が20位、JR北海道が21位、JR四国が22位となっている。
営業費は運行本数で大きく変わる
1位の東京メトロの1営業キロ当たり営業費は16億0884万円。22位のJR四国は4641万円。実に34倍もの開きがある。
同じ1営業キロ当たり営業費といっても、列車の運行本数は両社で大きく違う。運転士の人件費や動力費、列車の保守費用は運行本数によって大きく違うし、運行本数が多ければ線路が傷むため、線路の保守費用も多くなる。JR四国は非電化区間が多いため架線の保守費用があまりかからないといった要因もある。
その意味では、JR東日本は16位と下位にいるが、その理由はJR四国のように地方路線を多く抱えているからであり、山手線だけ取り出せば1営業キロ当たり営業費は東京メトロ並みのはずだ。私鉄各社の間で1営業キロ当たり営業費の金額が大きく違うのも同様の理由であり、東武、近鉄など路線網が広く郊外まで及ぶ鉄道会社は、数字が低くなっている。
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