予約69万人待ち「悟空のきもち」新事業始めたワケ マイナス7℃で冷やす事で得られる「絶頂解凍」
これをヒントに、新たな技術の開発を進めていった。キーポイントになるのは、緊張からの弛緩だった。冷却には強制的に緊張状態をつくり出す作用がある。気温が低い中、露天風呂に入ると気持ちいいのは、緊張していた体がお湯に入ることで一気に弛緩するからだ。さらに手足を温めると深部体温が上がり、皮膚感覚にバグが生まれやすくなる。
手技の着想は「火起こし」
こうして1年半の構想を経て、「増幅と冷凍の部屋」「ほむら弛緩術」の技術が完成した。
冷却され緊張した体を一気に緩める「ほむら弛緩術」という手技は、「火起こし」に着想を得ているという。
「一般的なマッサージだと、施術者の手が冷たく感じられることもあると思います。ほむら弛緩術でセラピストの手が温かいのは、セラピストの手が肌を摩擦して起こった熱を体の深部まで届け、その熱が再びセラピストの手に戻ってくるから。つまり熱が交流しているわけです」(金田氏)
術を受ける側は、その温かさを心地よいと感じ、もっと触れてほしくなる。またセラピストも自分の手技によりお客の体が温まっていく過程に火起こしのような楽しさを感じているという。
「ニューヨークは閉店してしまいましたが、それでも、最初にニューヨークに出たメリットは大きかったと考えています。ニューヨークでは今も問い合わせが止まらないほどですし、実はパリにある有名ブランドからフランチャイズの依頼をもらったことも。人材教育の課題がなければ、2022年の7月にパリでオープンしてました。ですから悟空SPAを日本で成功させ、2〜3年以内には必ず海外へ進出したい。そして世界一のスパブランドを目指します」(金田氏)
すでに都内2号店の構想も進めており、次は施術室が20室の、より規模の大きい店舗になる予定という。人員体制についてはヘッドスパで勤務しているスタッフが自由意思で兼業しているほか、一般公募も行っており、すでに1300人ほどの応募がある。人材教育面の課題がクリアされているので、店舗展開は「悟空のきもち」よりスピーディに進むと考えているそうだ。
コロナ禍で撤退したニューヨークへの、金田氏のリベンジ。世界に認められるサービスに育っていくのか、まずは東京での取り組みが勝負となる。
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