予約69万人待ち「悟空のきもち」新事業始めたワケ マイナス7℃で冷やす事で得られる「絶頂解凍」

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施術が終わると、そのまま着替えて終了である。滑りをよくするためのオイルは洗い流し不要とのことで、シャワーを浴びる必要がないのは手軽でよい。気になる人は拭き取り用のホットタオルを準備してもらえる。

感想としては、「絶頂解凍」のような感覚を味わうことは残念ながらできなかった。冷えの程度が少なかったのかもしれない。

帰りに予約をとる人が約90%

理論的には、冷凍室で冷やし体表の血流を減少させた後、独自の施術法「ほむら弛緩術」により、一気に血流をアップさせることで、瞬時に体を弛緩させる。この緊張からの解放が心地よさを生むという。

「悟空のきもち」では、ほぼすべての人が10分で睡眠させられてしまうという点で強いインパクトがある。そのことが、手技の独自性を際立たせているのだ。

それに比べ「絶頂解凍」の特徴は人によって感じ方にばらつきがありそうだ。

ゴールデンフィールド社長の金田淳美氏によると、試験オープンや1月中の予約客に関しては「悟空のきもち」の顧客や、予約待ちでまだヘッドスパを体験できていない客などが多いそうだ。

ゴールデンフィールド社長の金田淳美氏。女性が心から楽しんで活躍できる社会を理想とし、自社スタッフも女性のみに限定。上下関係をつくらず、社員の自主性を重んじた企業運営を行う(筆者撮影)

つまり最初の5万人に上る予約については「悟空のきもち」への期待値の高さで埋まったということだろう。

一方でリピーター率も高く、施術の帰りに予約をとる人が約90%という。受けたサービスが価格に見合うと感じており、さらに「レベルを上げるともっと気持ちがいいのかも」という期待がリピート動機になっているのかもしれない。

客層としては男性、女性が半々という。こうしたサービスにしては男性の率が高く思える。

今は男性美容市場も盛り上がってきているが、やはり多くの男性にとっていきなりエステサロンは行きにくい。「絶頂解凍」は美容効果を謳うものではないが、直接肌に触れてもらいほぐされる心地よさは似ている。アトラクションという触れ込みなので恥ずかしがらず行けることも、男性が多い理由としてあるかもしれない。

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