婚活歴5年、41歳女性がいまもこだわる「男の条件」 何歳になっても相手選びに影響を与える親の影

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では、80歳を超えた母親と今2人暮らしをしているみちおは、結婚したら親をどうするのか? やんわりと聞いてみたという。すると、こう言った。「結婚当初は、実家の近くに新居を借りて2人で暮らそうと思っています。のちのち今の家を2世帯に建て替えようかと」。

プロフィールには、結婚後の暮らしの欄に“同居なし”にチェックが入っていたのだが、それは最初の数年で、最終的には同居が希望のようだった。

さらに、お見合いの申し込みや承諾をするときに、その女性のプロフィールを母親に見せて相談し、母親がOKを出した人に、お申し込みをかけたり承諾をしていたりしたという。それも、将来の同居を見据えてのことだった。

「お母さんが私のプロフィールを見たときに、『37歳なら、まだ子どもも産める可能性があるわね』と言ったらしいんです。80歳過ぎのご婦人に、子どもが産めるとか産めないとか判断されることも心地よくないですし、何より私は子どもを産むためのマシーンではありません。私とは結婚後のビジョンが、まったく合わない人でした」

こう言って、交際終了を出した。

心優しい母想いの息子。老いた母親もそんな息子を持ってさぞうれしいし、頼りにしているのだろう。しかし、それに両手を挙げて賛同する婚活女性は、おそらく少ないのではないだろうか。

母にほめられることが生きがい

たまえ(41歳、仮名)は、婚活を始めて5年半になる。前の相談所では、5年。そして、私のところに来て半年が経とうとしていた。

見た目も若々しくお洒落で、おしゃべり上手。入会面談のとき、なぜ5年も婚活をしたのに相手を決めることができなかったのか、不思議だった。そして、私のところで婚活を始めたのだが、結婚相手を決められない理由がどこにあるか、わかった気がした。

お見合いをすると、相手に合わせてニコニコしながら話に協調できるたまえは、ほとんどの相手から“交際希望”が来ていた。そして、彼女もよっぽどダメな相手でない限り、交際希望を出す。しかし、1、2度会うと、決まって彼女からお断りを入れてきた。その理由がとても手厳しかった。

「自分の話ばかりして、こちらが話を合わせるのに本当に大変でした。話をしていて疲れる相手でした」

「食事のマナーがなっていなくて。一緒に食事をしていて恥ずかしかったです」

「とにかく声が大きくて。店の中で『すいませーん』と大声で店員さんを呼ぶのが、なんとも品がなくて」

表面はニコニコと相手と対峙しているのだが、それは単に合わせているだけであって、本心からは笑ってはいない。心の中では、相手の欠点をあれこれと探していたのだ。

あるとき、たまえに聞いたことがあった。「どうしてそうやって、無理に相手に合わせようとするの? 最初にいい子を演じるから、お付き合いしていくうちに、疲れてしまうのではない?」。

すると、たまえは言った。「母に『どんな人にも感じのいい人に思われるようにしなさい』って言われて育ったので、そのクセがついているのかもしれません」。

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