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東証「インフラファンド」TOBで起きた珍事、薄氷のTOB成立が物語るインフラファンドの苦境

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ジャパン・インフラファンド投資法人
東京証券取引所に上場するインフラファンドは、太陽光発電施設を運用している(写真:ジャパン・インフラファンド投資法人のホームページより引用)

1月23日、東京証券取引所のインフラファンド市場に上場するジャパン・インフラファンド投資法人(JIF)へのTOB(株式公開買い付け)が成立した。太陽光発電施設を保有・運用するJIFに対して、再エネ事業を強化したいみずほリースが2025年11月からTOBを行っていた。JIFは年内にも上場廃止となる。

このTOBではちょっとした「珍事」が起きていた。株価はTOB価格にサヤ寄せされるのが通例だが、JIFの投資口価格は期間中、ほぼ一貫してTOB価格を下回っていた。あらかじめ市場で投資口を買い集めていれば、TOB成立後に高値で売却できたことになる。

価格の乖離が放置された一因は、多くの投資家がTOBの成立を期待していなかったことを示唆する。JIFのTOBをめぐる一件は、インフラファンドが置かれている苦境を映し出す。

「0.25%差」の辛勝

みずほリースによるJIFへのTOBは、11月7日から始まった。1口6万5000円で発行済み投資口の66.67%以上を買い付ける予定だったが、期限である12月19日が到来しても応募が集まらなかった。

みずほリースは26年1月7日まで期限を延長したが、それでも集まらない。1月22日まで再延長を図るとともに、買い付け価格を6万7000円に引き上げる一方、買い付け予定数の下限を60%まで引き下げた。TOBはどうにか成立したものの、応募割合は66.92%と当初の下限をわずか0.25%上回る薄氷の成立劇となった。

難航した一因は買い付け価格だ。直近の水準に20~30%のプレミアムが乗っているものの、足元の投資口価格は「暴落」の傷がまだ癒えていない水準だった。プレミアムを考慮してもなお含み損を抱える投資家が、TOBへの応募をためらったとみられる。

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