再エネブームも「インフラファンド」のお寒い現実 東証肝煎りで脚光浴びたが投資家の不満噴出
再エネ施設などへの民間資金の呼び水として、2015年に創設されたインフラファンド。今年に入って離脱の動きが相次ぐ背景に何があるのか。
離脱の動きは連鎖していくのか。
東証肝煎りの「インフラファンド市場」に見切りを付ける投資家が相次いでいる。2022年8月に市場創設以来初の上場廃止が決まったほか、現在も別銘柄でTOB(株式公開買い付け)が進んでおり、銘柄数は年初の7から5にまで減る公算だ。
「インフラファンド市場に対する魅力が薄れつつある」。9月28日、太陽光発電施設を運用するタカラレーベン・インフラ投資法人(以下、TLI)は、親会社によるTOBによって近く上場廃止になる見込みだと発表した。同日の発表文には、TOBの背景としてインフラファンド市場への不満が列挙されていた。
転機となった「出力制限」
インフラファンドは、再生可能エネルギー発電施設といったインフラ施設に投資する市場だ。投資家からの出資金や借入金を元手に再エネ施設などを取得し、売電収入を分配する。インフラ施設への民間資金の呼び水として東証が2015年に創設し、TLIは2016年6月に一番乗りで上場を果たした。
TLIは主に親会社であるタカラレーベンから太陽光発電施設を取得し、全国に42物件(計685億円、取得額ベース)を抱えるまでに成長した。順調に資産規模を伸ばしてきたが、今年3月に転機が訪れる。きっかけは、資源エネルギー庁が公表した再エネの「出力制限」に関するレポートだ。
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