中国ではゼロコロナ政策の緩和後に生じた急速な感染拡大がピークを打ち、新規感染者数が減少に転じた。それを受けて、サービス業の景況感が著しい改善を見せている。
2月3日に発表された2023年1月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は52.9と、前月(48.0)より4.9ポイント上昇。好不況の目安とされる50を5カ月ぶりに上回った。
注目すべきなのは、サービス業の景況感が製造業よりも力強い回復を示したことだ。2日前の2月1日に発表された1月の財新中国製造業PMIは49.2と、前月(49.0)から0.2ポイントの改善にとどまり、目安の50には届かなかった。
サービス業の11月の事業活動は、供給側と需要側がともに活気を取り戻した。生産指数および新規受注指数は2022年9月からの縮小基調を5カ月ぶりに脱して拡大基調に転換。とはいえ2022年6月に上海市のロックダウン(都市封鎖)が解除された直後より、上昇の度合いは小さかった。
雇用増加にはまだ結びつかず
景況感の大幅な改善は、雇用の増加にはまだ結びついていない。サービス業の1月の雇用指数は、3カ月連続で拡大基調と縮小基調のボーダーラインを下回った。調査対象企業からは、多数の従業員が新型コロナウイルスに感染して出勤できないなか、新規採用は困難だったとの声も聞かれた。
原材料費、燃料費、人件費などの高止まりを背景に、サービス業の仕入れ価格の指標である投入価格指数は1月もボーダーラインを上回って推移した。一方、販売価格の指標であるサービス提供価格指数は前月からわずかな上昇にとどまった。
サービス企業はコストアップの販売価格への転嫁を望んでいるが、同時に(競合企業に対する)価格競争力も維持しなければならない。調査対象企業からは「値上げ幅には限度がある」との声が寄せられた。
ゼロコロナ政策の緩和をきっかけに、事業の先行きに対する企業経営者の見方は大きく改善した。1月もその流れは変わらず、サービス業の経営者の向こう12カ月間の楽観度を示す指数は2011年3月以降の最高値を記録した。経営者の多くが「経済活動の正常化とともに、景気と需要は力強く回復する」という自信を深めている。
(財新記者:範浅蝉)
※原文の配信は2月3日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら