2月2週(2月6ー10日)の日本株は弱含みとなる見込み。有力企業の決算発表が本格化し市場の関心は2023年度の業績へと移るが、円高傾向による業績懸念がくすぶる中では相場に下押し圧力がかかりやすい。
2月1週の東京株式市場ではTOPIX(東証株価指数)が週間で0.6%安となった。業績見通しの下方修正など市場予想を下回る企業決算に加えて、円高の進行が嫌気された。
来週は時価総額の大きい企業の決算がめじろ押しだ。7日にはソフトバンクGが23年3月期第3四半期(10-12月期)決算を発表する。ビジョン・ファンドの動向に注目が集まる。同ファンドは、世界的な株式市場の不安定が続き出資先企業の価値低下を背景に第2四半期まで3四半期連続で赤字を計上した。
9日にはトヨタが10-12月期の決算を発表する予定。半導体不足などで生産への制約が続いているが、来期はどうなるか、経営陣の発言などから展望を探ることになりそうだ。
来期に増収増益が期待できる企業には個別に買いが入りやすいが、為替市場の円高が相場全体の下押し圧力となる。米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げペースを鈍化させ、パウエル議長は「ディスインフレ」に言及した。日本銀行の金融政策の方向性が意識される中、日米金利差は縮小し円高圧力が輸出関連企業を中心に重しとなりそうだ。
《市場関係者の見方》
UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントの居林通ジャパン・エクイティ・リサーチ・ヘッド
日銀人事がくすぶる中、日銀がどこまでタカ派になるのか海外投資家を中心に関心を集めている。輸出関連企業を中心に円高が警戒され、上値は追えない。仮にタカ派とされる人が次期総裁となれば、マイナス金利を解除するとの観測から円高圧力がかかりやすい。半面、個別では企業決算で業績の底が確認できたものには買いが入りやすい。
アセットマネジメントOneの荻原健チーフストラテジスト
相場レンジは大きく変わらないものの、海外金融政策のイベントを通過したことで方向感が出にくい。市場では米経済のソフトランディング(軟着陸)への見方が増えている。景気への楽観的な雰囲気が残りながら、マクロの方向感を改めて見極めることになる。国内では日銀総裁人事を控えており、政策不透明感を嫌って様子見ムードが強まりそうだ。人事によって金融政策の転換が意識されれば株価も動くだろう。
--取材協力:.
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著者:田村康剛
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