「日本の経済安全保障」主要100社が答えた実状 推進法とウクライナ情勢を受けた影響や方針は?

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サプライチェーン強靭化は「守り」の側面が強いが、セキュリティー・クリアランスは「攻め」にもかかわる制度であり、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国等では民間人に対しても制度が導入されているが(参議院常任委員会調査室・特別調査室、2022年10月6日)、日本では法案審議入りが見通せない。

アンケート調査では4社に1社が制度を「すぐに必要」と答えており、すでに最先端の情報へのアクセスが得られずに実害が発生した企業ほど、このように回答している。過半数の企業が「将来的に(制度が)必要」と答えており、導入に賛成する回答が合計78.7%に達した。

他方、5社に1社が「どちらとも言えない」「(制度が)わからない」と答えており、導入に伴うコストや従業員の負担について具体的なイメージを掴むなど、制度自体の理解を深める必要があろう。制度不在による被害が日本企業の間で広く認識される頃には、最先端の技術へのアクセスにおいて大きく後れをとっている可能性を想定したい。

「市場としての魅力」と「生産拠点としてのリスク」

中国は2022年に人口が減少に転じ、2023年に世界一の座をインドに譲る見込みだが、依然として巨大な市場である。他方、生産拠点としてのリスクはコロナ禍とウクライナ情勢のダブルパンチで一層鮮明になった。情報管理の強化という従来の課題に台湾有事の想定という新たな課題が加わり、2つの地経学的な問題が併存する状況となっている。

中国での売上比率「1-3割」の企業は前年の40.2%から34.8%に減少しており、生産比率「1-3割」「3-5割」の企業が僅かに増加している。だが売上比率の中長期目標を「増やす」企業が6.7%、「現状維持」が2.6%それぞれ前年より減少しており、前年は回答がなかった「減らす目標がある」企業が4.7%となり、投資マインドの冷え込みが見られた。

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