油圧技術で変幻自在、キャンピングカーの新潮流 老舗カヤバが仕掛けたコンセプトモデルに迫る

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カヤバ製キャンピングカー
キャビンの天井部分や右側面が拡張する機能を搭載したカヤバの展示車両(筆者撮影)

自動車やオートバイのサスペンションなどを手がけるメーカーとして有名な「カヤバ(KYB)」が、なんとキャンピングカー業界への参入を目指している。創業100年以上を誇る老舗企業である同社は、自動車や2輪車向けの油圧部品はもとより、鉄道用のブレーキやダンパー、航空機用のアクチュエーター、コンクリートミキサー車などの特装車両など、幅広い製品を展開する油圧機器の総合メーカーだ。そんなカヤバが、世界的なカスタマイズカーの展示会「東京オートサロン2023(2023年1月13~15日・幕張メッセ)」で、キャンピングカーのコンセプトモデルを発表したのだ。

トヨタの商用トラック「ダイナ カーゴ」をベースに、オリジナルのキャビン(居住空間)を架装した展示車両には、独自の油圧技術を投入することで、停泊時にキャビン部を拡張させるトランスフォーム機能を採用。ゆったりとした室内を実現するほか、走行時は車体をコンパクトにすることで走行風の抵抗を軽減するなど、ユニークな装備が満載だ。

ここでは、カヤバが開発したコンセプトモデルの特徴を紹介するとともに、さまざまな競合がひしめく同様のライバル車たちに対し、どんな優位性を持つのかなど、その実力について検証してみる。

停泊時にトランスフォームするユニークなキャビン

カヤバ製キャンピングカー
後ろから見たカヤバ製キャンピングカー(筆者撮影)

展示車両は、前述のとおり、トヨタ製トラックのダイナ カーゴをベースに、キャビン部を架装したキャブコン(キャブコンバージョン)と呼ばれるモデルだ。同様の他社製モデルには、広い居住性や豪華で充実した装備を持つことで、1000万円を超える本格的なキャンピングカーも多い。

次ページカヤバが仕掛けるキャンピングカーの内容に迫る
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