油圧技術で変幻自在、キャンピングカーの新潮流 老舗カヤバが仕掛けたコンセプトモデルに迫る

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右側面を格納した状態
天井部と右側面を格納した状態(筆者撮影)
ポップアップ機構
天井部分のポップアップ機構(筆者撮影)

カヤバが製作したキャンピングカーの特徴は、まず、キャビンの天井部を60cm上げることが可能なポップアップ機構と、右側面を40cm橫に広げるスライドアウト機構を採用していることだ。同社が長年培った技術を投入した油圧シリンダーと小型ポンプを使うことで、車体をトランスフォームさせるのだ。

車内
ポップアップ機構によって生まれた広い車内(筆者撮影)

これにより、キャンプ場などに停泊する際に室内をより広くすることができる。ちなみに全長10m近いアメリカ製の大型キャンピングカーなどには、スライドアウト機構を持つモデルも多いが、天井部を上げるポップアップ機構まで持つモデルは少ないため、かなり独自性が高いといえるだろう。

逆に走行時は、天井部や右側面を収納し、車体をよりコンパクトにできる。キャビン部が大きいと、走行風や横風の影響を受けやすく、車体がふらついてしまいがちだからだ。なお、走行時のボディサイズは、全長4970mm×全幅1830mm×全高2150mmだ。とくに全幅は、同様のキャブコンには2000mmを超えるモデルも多く、自宅などに停める際、駐車スペースに制限も多い。キャンピングカーのベース車としても人気が高いトヨタの商用バン「ハイエース」でさえ、ワイドボディ車の全幅は1880mmだから(標準ボディは1695mm)、1830mmのカヤバ製は駐車が比較的楽なほうだといえる。

サスペンションにも独自技術あり

サスペンション
展示モデルに搭載されているサスペンション(筆者撮影)

また、カヤバ製モデルでは、リアサスペンションに油圧で車高調整が可能なタイプを装備する。これにより、停泊するキャンプ場の地面が斜めになっている場合でも、室内を水平に近い状態に補正することが可能だ。例えば、車体前方が高く、後方が低い地面に停泊する場合は、リアの車高を上げる。逆に地面の前方が低く、後方が高い場合は車高を下げることで、室内をレベリング(補正)するといった感じだ。

サスペンションシステム
サスペンションシステムの概要(写真:カヤバ)

さらにリアサスペンションには、ロック機構もあり、例えば、就寝時に同乗者が室内を動いたときに起こる室内の揺れを低減。可能な限り、安眠できる状態にすることが可能だ。

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