源氏物語に憧れた女性、熱量凄すぎて出た衝撃行動 オタクとして共感できるポイントがかなり多い

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宇治川にかかる宇治橋の西詰にある紫式部像。紫式部が書いた『源氏物語』は今も昔も多くの人を魅了しています(写真:monjiro/PIXTA)
学校の授業では教えてもらえない名著の面白さに迫る連載『明日の仕事に役立つ 教養としての「名著」』(毎週木曜日配信)の第18回は、紫式部が書いた『源氏物語』の熱烈なファンだった菅原孝標女の『更級日記』の面白さについて解説します。
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「源氏物語」のオタクだった菅原孝標女

さまざまな名著を読んでいくこの連載。前回までは『源氏物語』を見てきたが、今回からは『源氏物語』のオタクとして今なお名を馳せる、菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)の日記こと『更級日記』を読んでいきたい。

彼女は幼少期から物語を読むことが大好きだったらしく、なかでも『源氏物語』には格別の愛着を見せている。『更級日記』は大人になった書き手が、少女時代から50代まで回想して思いをつづる日記文学なのだ。

彼女の父は菅原孝標で、菅原道真の子孫だ。菅原孝標女が小さいころ、父の仕事の都合で、一家は東国・上総に住んでいたらしい。そこは当時の感覚で言えば「田舎」だった。しかし彼女の家柄は貴族。都会で流行しているらしい物語についてのうわさが、彼女の耳には届いていた。

『更級日記』の冒頭、彼女は「私は田舎に住んでいたけれど、とにかく物語が読みたいと願う子どもでした……」と回想する。

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