ですが、実験を進めるにつれて、積極的に看守側は看守の、囚人側は囚人のフリをするようになっていきました。看守は囚人に無理な命令をしたり、横柄な態度を取ったり、時には暴力的な行為すら取るようになってしまったといいます。結局、2週間を予定していた実験は、6日間で打ち切りとなりました。
この話からわかるのは、人は、演じている自分になってしまうということです。そもそも人間は、背伸びをして、演技をして、自分を高めていくものです。
精神的に子どもだったとしても、大人になったフリをして大人のような行動をしていくうちに、いつの間にかそれが定着していくということもあるでしょう。できないと思っても、とにかく演技をして、そうなったフリをしてみれば、意外と物事が好転することもあるのです。
だからみなさん、平気なフリをしましょう。自分は平気であるかのように振る舞って、そういう演技をしていれば、きっとうまくいきます。
「想定外」が起こったときのルーティンを決めておく
もちろん「フリ」でかまいません。難しい問題が出ても顔色を変えず、もしできるなら笑顔を作って、「解きごたえのある問題を作ってきたな」と笑ってみる。間違ってしまっても焦った顔をせず、冷静沈着なフリをして、問題に対処してみる。そんなふうに、平気な演技をして、緊張していないフリをすればいいのです。強くないからこそ、強いフリをしてみる。
おすすめなのは、想定外のことが起こったときのルーティンを決めておくことです。例えば口角を上げてニヤッと笑って、ピンチに時ほど笑顔を作る。または胸に手を当てて、深呼吸することを徹底する。こういう、難しい局面でもできるちょっとした工夫を自分に中で決めておくことで、ピンチにもうまく対処できるようになります。
僕も2浪して挑んだ東大受験では、緊張から気分が悪くなって、トイレで吐いていました。でもそんなときに口角を上げてニヤッと笑ったら、「でもこんなひどい状況から受かったら僕ヒーローじゃないか?」なんて考えが頭に浮かんだのです。これで本番でもあまり緊張することなく受験することができたというわけです。
このように、強くないからこそ強いフリをしてみるのです。これができれば、緊張状態にあっても問題に対処できるはずです。頑張ってください!
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら