「演技」は案外バカにできない
ということで、「真の強者の心理」という話でした。多くの人は、強者ではありません。強くないから緊張するし、失敗するかもしれないと不安だから本来の力を発揮できない。
そういうときに重要なのは、「強者のフリをすること」。つまりは、「自分をだますこと」です。強くなくても、強いフリをする。強くなった演技をして、平気なフリをするのです。
「え? 演技なんてしてもなんの意味もないんじゃないの?」
と思うかもしれませんが、演技は案外バカにできません。例えばみなさんは、スタンフォード監獄実験というものを知っていますか。これは、心理学の実験です。
実験参加者を募り、参加者を2つのグループに分けます。1つは看守側。もう1つは囚人側。疑似的な監獄を作ります。そこでこの2つのグループに共同生活をさせ、看守側は看守の、囚人側は囚人の演技をしてもらいます。
看守側は看守の服装を着て、囚人側はもちろん囚人服を着る。さらに囚人は実際にパトカーに乗せるところ・監獄に入れるところまでやりました。そのうえで、2週間の共同生活をさせます。看守に命令させ、囚人にはそれを聞き入れさせた。これはもちろんただの実験です。実際にこの2つのグループに上下関係はありません。実際、始めてから1日は、どちらも困惑している様子だったそうです。
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