日経平均が3万円を回復するための「3つの条件」 今後の相場を動かす「6つの要因」を検証する

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
新型コロナの感染法上分類は「5類」に変更へ。これは今後の株価を考えるうえで「100%プラス」とは限らない(写真:ブルームバーグ)

2023年の株式相場もほぼ1カ月が経過した。今後の日本株はどう動くのか。今回は「下押し要因」と「押し上げ要因」をそれぞれ3つずつ、合計6つ挙げて検証したい。

日銀の金融政策変更の素地は整った

まず下押し要因の1つ目は、日本銀行が動くことによる円高懸念だ。日銀は1月の金融政策決定会合(17~18日)で短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度に据え置く「イールドカーブコントロール」(長短金利操作・YCC)を維持した。

同時に長期金利を押さえ込むための措置として共通担保オペの拡充を決め、日本国債の下落(長期金利上昇)を狙って儲けようとする投資家を蹴散らした。これによって、ひとまず長期金利の上昇は終息した。ただし、やや長い目でみれば日銀が緩和修正に向けて動く可能性は高い。

黒田東彦総裁は緩和修正の条件として「賃金上昇を伴った物価上昇」が必要であると繰り返している。日本の1人当たり賃金を示す指標である毎月勤労統計調査によれば、基本給に相当する概念である所定内給与は前年比プラス1%台前半まで高まっており、徐々にではあるが「賃金と物価の相互刺激的上昇」が観察されるようになっている。超緩和的な金融緩和の修正を正当化する論拠はすでに整っていると言っても、過言ではない。

問題は「いつ、何をきっかけに動くか」であるが、筆者は意外な点に注目している。それは新型コロナの感染症法上の分類が「2類相当」から「5類」に変更されることである。なぜ、それが重要かと言えば、フォワードガイダンス(将来の金融政策の方針を前もって表明すること)の修正を通じて、金融政策の変更につながる可能性があるからだ。

次ページ中国経済の回復が招く「副産物」とは?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事