今年の日経平均は2万8000円止まりの懸念がある 高値と安値の時期はそれぞれ何月になるのか

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間もなく日銀の黒田総裁の任期が終了。次の総裁が誰になるかによって、市場が大きく動く可能性もある(写真:ブルームバーグ)

筆者は今から1年ちょっと前に「2022年の株式市場は『大荒れの年』になりそうだ」(2021年12月19日配信)と予想した。具体的に言うと「2022年の日経平均株価は、3万円から2万4000円までのかなり大きなボックス圏での値動きになる」とした。

実際、2022年は高値が2万9332円、安値が2万4717円(いずれも終値)となり、ボラティリティ(変動率)の高い、大荒れの展開となった。詳しくは上記も含め、同年に配信した12本の記事を読んで検証していただきたいが、かなりの確度で「リスクを取ったピンポイント予想」を的中させることができた。

2023年の日経平均株価の高値は?

さて、早速2023年の日本株を予想したい。まず日経平均株価の想定レンジだが、高値2万8000円から安値2万4000円までのかなり大きなボックス圏での値動きを想定している。

前回の「2023年の卯年、日経平均は跳ねないかもしれない」では、私の予想はかなり弱気とも見られていたようだが、現時点(1月20日時点)では弱気ではなく、中立スタンスをとる。ただし、年を通じて株価の上値は重く、現在の日経平均は下落トレンドに転換した可能性が高いと見る。

高値と安値の時期を予想するのは非常に難しいが、「日経平均の高値は2万8000円(3月)、安値2万4000円(12月)」としたい。今年1月初時点での各種メディアの予想では1月高値、12月安値としていたが、高値のタイミングを1月→3月に変更した(高値と安値の予想は不変)。

高値の時期を修正した理由は、前回の予想が昨年12月19日までに行われており、同月20日に発表された日銀政策決定会合の結果を織りこんでいなかったからだ。私の想定よりも日銀が約1カ月前倒しで実質的な利上げに動き、円高・株安の動きが早まった。

一方、想定以上の早いタイミングでの株価急落(2022年12月14日の2万8156円の戻り高値から、2023年1月4日の2万5716円の直近安値まで2439円幅の下落)で、当初想定した「1月高値の可能性」は低くなった。その分、逆に2~3月まで円安株高のリバウンド相場に移行する可能性が高まったと見ており、2万7000円~2万8000円前後の株価の戻り高値(今年のピーク)を想定する。

ただし、1月17~18日の日銀政策決定会合の緩和縮小見送りを受けた同日の日経平均は2万6791円となり、前日比652円の急騰となった。これが今年の高値(もしくは当面の高値)となった可能性もあることも、念のため付け加えておきたい。

次ページ足元の日経平均2万6000円台は「買い」でいいのか?
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