頑張ってるけど「抜擢されない人」に欠けた視点 能力開発だけでは成長も活躍も行き詰る理由

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だとすれば、「抜擢される機会」 を運に任せて待っているのではなく、もっと戦略的に「抜擢」を呼び込む努力をするべきではないでしょうか。

その努力とは、能力開発と人脈構築です。能力開発については、多くの良書が出版されていますので、そちらに譲ることとし、本稿では、抜擢を戦略的に引き寄せるための「人脈構築」の方法をご紹介していきます。

意外にやる人が少ない戦略的人脈構築

私はヒューマンキャピタリストとして、複数の企業で人的資本経営やサクセッション・プランニングに従事しており、これまで1000人以上の「経営のプロ」と仕事をさせていただいています。一緒に仕事をさせていただいている「経営のプロ」の方々は、40代で経営の最前線で活躍されている方がほとんどです。 世間一般的に言うと「早回しで成長の機会を得られた」方々とも言えます。

こうした方々に、早回しで成長できたきっかけや、成功への経緯などを伺うと、必ずと言っていいほど「抜擢される機会に恵まれた」というキーワードが出てきます。

過去に抜擢される「転機」があり、そこで未経験のことを経験させてもらい、成果を上げることができた結果、自分自身も成長して今につながっている、と言うのです。

ここでの転機とは、「社長に大抜擢」という大規模なレベルではなく、たとえば、30代で「新規事業のプロジェクト責任者に抜擢された」といったものです。社内抜擢に限らず、社外から抜擢のお声がかかるケースもあるようです。

ところが、なぜ「抜擢されたのですか」という問いに対しては、大抵の方は「いや〜、偶然ですよ」と照れながらお話しされます。しかしながら、多くの事例を伺っていると、抜擢は「偶然」ではなく、「必然」である、と思わせる共通の要素が浮かび上がってきます。「抜擢される人」には、「抜擢される理由」があるのです。

そこには、抜擢されるための能力開発と人脈構築を「戦略的」に行ってきている、という共通の要素があるのです。

抜擢されるための能力開発とは、声をかけられる「いざ」という時に備え、経営知識を学んだり、経営スキルを磨いたりする、ということです。この能力開発には血道をあげている、いわゆる「勉強好き」な人は多いようです。

一方、「いざ」という時に、自分を想起してもらえるようにと 「抜擢されるための人脈構築」を「戦略的」に実行している人は、意外に少ないのです。

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