刃物持って大暴れも、死の直前「人格豹変」の理由 終末期における「せん妄」は9割近くが経験する

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人は最期を迎えるにあたって意識が混乱する「せん妄」の状態になることがある(写真:mapo/PIXTA)
人は死を迎える直前、突然、人格が変わったかのような変化を見せることがあります。家族は戸惑いや不安を覚えますが、事前に知識を得ておけば不安や悲しみを緩和することができます。本稿は緩和ケア医・四宮敏章さんの著書『また、あちらで会いましょう』を一部抜粋・再編集のうえ、末期の患者によくみられる「せん妄」の状態や、その原因・治療法などについてご紹介します。

人格を豹変させる「せん妄」とは

患者さんが亡くなる最期の数週間で起こる症状として、夢と現実の間を行ったり来たりするような状態があります。会話のつじつまが合わず、いつもと違う行動を取ってしまうことが、最期の数週間にはよく起こります。人によっては、激しく興奮したり、点滴を抜いたりするような行動を取ったりもします。

その様子から、急に認知症になってしまったのではないか、麻薬を使って頭がおかしくなったのではないかとご家族は不安に思います。しかし、こうした変化は認知症や精神疾患によるものではありません。「せん妄」と呼ばれる状態であることが多く、原因を取り除くことで治療が可能です。

「せん妄」とは、体調の悪さなどが原因で、一定の期間、意識が混乱することです。ぼーっとして、注意力が散漫になった状態を考えていただければ、わかりやすいと思います。その結果、さまざまな精神症状を起こします。

まず、時間感覚や場所などがわかりにくくなります。これを見当識障害といいます。また、夜眠れなくなり、昼間に寝てしまう、昼夜逆転も起こります。急に怒り出したり、暴れたりする人もいます。幻覚が見えるようにもなります。

これらの症状は1日のなかで変化します。昼間はしっかりしていたのに、夕方になると急に暴れ出すといった人もいます。こうした急な変化にご家族が驚かれるのは当然です。

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