ギャンブル好きで貯金ゼロだったFPが説く貯め方 「お金を貯めるための3つの準備」とは何か?
鈴木さんが何かを買う前に実際に考えているのは、「いつ、どんなときに使う?(洋服なら)合わせられる洋服はある?」「どのくらいの頻度で使う?」「同じモノをもっと安く買えるチャンスはない?」だ。この3つを考えた上で「必要」と判断したら、自信を持ってレジに向かう。また、興奮や疲労、不安に支配されているときに買ったモノは、軒並みいらないモノばかりだという実感から、平常心ではないと感じたときは買い物を避けて、まっすぐ帰宅するようにした。
ただ、鈴木さんは「ムダ遣いを完全になくそうとするのは苦しい」とも言う。少しのムダ遣いが生活に潤いを与えるなら、それはムダではないということだから。
最後は、やや難しそうな「何にお金を使いたいか、優先順位を決める」。鈴木さんは友人や仕事仲間との飲み会が大好きで、用事があったり費用が高すぎたりしなければ、まず断らない。一方、化粧品はほぼプチプラでケチケチ使う。アクセサリーや洋服も、高校生の娘と同じような価格帯で購入しているという。鈴木さんが自分にとっての優先順位は「交流>自分の見た目」だと認識した結果だ。
年齢を重ね、顔のくすみが目立ち始めたと感じる今は、交流にかけていたお金を少しだけ、肌の手入れに回そうと考えている。自分自身の変化に応じて優先順位を見直すことも、大切だからだ。
何にお金をかけたいかは人それぞれ
「とにかく貯蓄!」と何もかも我慢するのではなく、最低限必要な分を貯蓄に回し、自分が大切にしたいことには優先的にお金をかけるのが、鈴木さん流の「資産形成の超正解」。優先的にお金をかけるモノ・コトを考えるための具体的なアクションは、「なりたい・やりたいことリスト」と「なりたくない・やりたくないことリスト」を書くことだ。
この両方を書き出していくと、自分がこれからどんな人生を歩みたいのか、どんな生活をしたいのかが見えてくる。次に、この人生を実現するために必要なモノやコトを書き出せば、お金のかけどころは自然と決まっていく。
飲み会での新しい出会いで世界が広がったり、旧友との再会が仕事につながったりした経験もあって、鈴木さんは「交流」にお金を惜しまないが、何にお金をかけたいかは人それぞれ。「手取り収入-最低限貯めるべき金額=使っていい金額」だと肝に銘じつつ、お金のかけどころを考えたい。
(構成:生活・文化編集部 上原千穂)
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