住宅ローン借り換えで900万円浮かせてみた 史上最低金利の今が最大のチャンスだ

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田中さんは3500万円を、35年固定で金利3.14%、元利均等返済で借りています。昨今、住宅ローン金利が下がっているというニュースが気になっていました。「超低金利の今、ひょっとして借り換えたら返済額を減らせるのでは?」という思いがありましたが、どうしていいかわからず、とりあえず放置したままでした。

今よりさらに低い金利で借りるには?

そんな田中さんが、今よりさらに低い金利で借りるには、2つの方法が考えられます。順を追って説明しましょう。

① 今、借りている銀行に相談して金利を引き下げてもらう

住宅ローンを組んでいる銀行の窓口に出向き、今よりも低い金利にしてもらえるかを相談するという方法があります。金融機関にとっては、当初約束した金利を下げる話なので、当然公にはしていません。そして、誰もがこの都合のいい相談に応じてもらえるわけではありません。

相談に乗ってもらえるのは、過去に返済の延滞がない人であることが大前提となります。源泉徴収票の提出を2年分求められることもあり、大幅な収入ダウンや転職の有無などが審査されます。

田中さんは、借り入れ時と同じ会社に勤め、収入ダウンもほかの借り入れもありませんので金利交渉の余地ありということになります。

通常、同じ銀行内で借り換えができないため、他行で借り換えを検討していることが交渉の前提です。窓口には他行の金利やシミュレーション結果を持参します。

借りている金利や、その人の属性にもよりますが、変動金利で借りているにもかかわらず、1.1%下げてもらった人もいます。

当然ですが、金利変更の手数料は公表されていませんから、事前に聞いておきましょう。「無料だった」という人から「5万円かかった!」という人までさまざま。返済残高と残りの返済期間が少なく、もともと低金利で借りている人は総返済額の差と手数料が変わらないケースもあります。

 

ほかの金融機関で借り換える

ほかの金融機関で新たに住宅ローンを借りて、今の住宅ローンを完済する方法です。

金利交渉は、今借りている銀行にすべておまかせとなるため、選択の余地はありませんが、ほかの金融機関への借り換えは、選択肢が多すぎて何から手を付けていいのかわからないというのが、田中さんのように放置してしまう原因でしょう。

シミュレーションをすれば、それほど難しいことではありません。

まずは、金利の種類を決めます。マイホームを買った時と同じように、変動金利にするか、全期間固定金利にするか、10年固定金利のような固定金利期間選択型にするかを選びます。

田中さんのケースで見てみましょう。

次ページ田中さん(13万7447円/月返済)の場合
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