住宅ローン借り換えで900万円浮かせてみた 史上最低金利の今が最大のチャンスだ

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田中さんは、無事に借り換えができそうですが、意外と借り換えできなくて困るケースもあります。

たとえば、奥さんが連帯保証人になっていて、その後離婚した場合。新たなローンも連帯保証人は外すことができず、通常連帯保証人になれるのは配偶者か親のみ。離婚してしまった他人は、連帯保証人になれません。離婚する前に借り換えた方がいいでしょう。

「ローン審査後に独立」も気を付けよう

住宅ローンの審査後に独立し融資実行時には、会社員ではなくなっていたケースも要注意です。ご本人に悪気はないのですが、融資実行時には別の会社にいたことになり、勤続年数も年収も変わっていることになります。本来なら、再審査が必要だったのです。場合によっては融資実行されなかったかもしれません。借り換え時に発覚し、借り換えができないケースがあります。

そのほか、よくあるのが、うっかり銀行の残高が足りず住宅ローンの引き落としができなかったという人。2年以内の支払いまでチェックされます。支払いがルーズだと、借り換えは難しいでしょう。

年収に占める、返済額の割合を返済負担率といいますが、この「返済額」には住宅ローンの返済だけでなく、車のローンや、リボ払い、カードローンなども含まれます。ほかの返済が厳しいので、住宅ローンの負担を軽くしようと思って申し込んでも、借り換えできないケースもあります。

現在病気の治療中や、3年以内に大きな病気をしたなど、団体信用生命保険に加入できない場合も、フラット35以外は借り換えができません。フラット35は団信の加入は任意ですが、借り換えてしまうと万一の保障がなくなる場合は、慎重に考えるべきでしょう。

いかがでしたか? 今はどの金融機関も、住宅ローンの借り換えは親切にシミュレーションをしてくれます。自分の返済期間やライフプランから、どの金利種類を選び、何年で返済すればいいのかを是非相談してみてください。

山口 京子 ファイナンシャルプランナー

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やまぐち きょうこ / Kyoko Yamaguchi

1966年名古屋市生まれ。金城学院中学、金城学院高校、金城学院大学卒業。現在は、情報サイト・オールアバウト「家計簿・家計管理」「お金美人のすすめ」執筆、テレビ、ラジオ、セミナーで活動中。著書に『お金持ち名古屋人八つの習慣』がある。

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