「大学入学共通テスト」東大生が解いて驚いた中身 嘆く受験生も…来年に向けて鍛えるべき力とは?
これは問題を解くときにも役に立ちます、今年の英語の問題では、同じ意味の英単語を知っていれば選択肢の中から切れるものがあり、文章を大雑把にしか読めなくても解ける問題などがありました。
共通テストで毎年恒例になっている「fact=事実」と「opinion=意見」を問う問題でも、語彙の力が必要になります。この文章から読み取れる「fact」を考えなさい、という問題です。
「事実」は、誰の目から見ても明らかなデータのことです。それ自体には何の色もなく、ただの数字でしかないもののことを指します。
対して「意見」は、その事実から一歩進んだ主観的なものです。ただのデータ・客観的なものとは異なります。そして「事実」としての言葉と「意見」としての言葉は異なります。
例えば、この問題の解答の選択肢④では「majority」、つまり「大多数」という言葉が出ています。これは客観的な事実としての言葉としてふさわしいでしょうか。
答えはNOです。例えば、「多くの人が」と僕が言ったときに、「100人くらい」を想像する人もいれば、「2~3人くらい」でも「多くの人」だと考える人もいるでしょう。「大多数」というのは、明確な基準のある客観的な言葉ではないのです。このように、確かな語彙の力があればすぐに正解か不正解かが見えてくる、という問題がどの科目でも多かったのです。
東大生が共通テストでも力を発揮できたワケ
東大生は、この知識を2次試験の対策をする中で身につけていく場合がとても多いです。東大の問題は、どの科目でもほとんどが記述の問題であり、どの言葉を使って表現をするのか、どういう表現をするのが適切なのかを問う問題が多いです。その対策をしているうちに、東大生自身もそういった能力を身につけている場合があり、だからこそ、彼ら彼女らはセンター試験だけではなく共通テストでも力を発揮できるわけですね。
ということで結論として、共通テストで今後求められるのは、語彙力なのではないかと僕は考えました。それも、ただ言葉を知っている程度ではなく、同じ意味の漢字も知っていたり、その根本の意味を理解していたり、類義語や対義語も理解しているような、そんな「確かな」語彙の力が必要だといえるのではないでしょうか。
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