「大学入学共通テスト」東大生が解いて驚いた中身 嘆く受験生も…来年に向けて鍛えるべき力とは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これは問題を解くときにも役に立ちます、今年の英語の問題では、同じ意味の英単語を知っていれば選択肢の中から切れるものがあり、文章を大雑把にしか読めなくても解ける問題などがありました。

共通テストで毎年恒例になっている「fact=事実」と「opinion=意見」を問う問題でも、語彙の力が必要になります。この文章から読み取れる「fact」を考えなさい、という問題です。

出所:2023年度大学入学共通テスト

「事実」は、誰の目から見ても明らかなデータのことです。それ自体には何の色もなく、ただの数字でしかないもののことを指します。

対して「意見」は、その事実から一歩進んだ主観的なものです。ただのデータ・客観的なものとは異なります。そして「事実」としての言葉と「意見」としての言葉は異なります。

例えば、この問題の解答の選択肢④では「majority」、つまり「大多数」という言葉が出ています。これは客観的な事実としての言葉としてふさわしいでしょうか。

答えはNOです。例えば、「多くの人が」と僕が言ったときに、「100人くらい」を想像する人もいれば、「2~3人くらい」でも「多くの人」だと考える人もいるでしょう。「大多数」というのは、明確な基準のある客観的な言葉ではないのです。このように、確かな語彙の力があればすぐに正解か不正解かが見えてくる、という問題がどの科目でも多かったのです。

東大生が共通テストでも力を発揮できたワケ

東大生は、この知識を2次試験の対策をする中で身につけていく場合がとても多いです。東大の問題は、どの科目でもほとんどが記述の問題であり、どの言葉を使って表現をするのか、どういう表現をするのが適切なのかを問う問題が多いです。その対策をしているうちに、東大生自身もそういった能力を身につけている場合があり、だからこそ、彼ら彼女らはセンター試験だけではなく共通テストでも力を発揮できるわけですね。

ということで結論として、共通テストで今後求められるのは、語彙力なのではないかと僕は考えました。それも、ただ言葉を知っている程度ではなく、同じ意味の漢字も知っていたり、その根本の意味を理解していたり、類義語や対義語も理解しているような、そんな「確かな」語彙の力が必要だといえるのではないでしょうか。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事