ユニクロ初任給30万円が「高くない」と言える根拠 初任給の多い国TOP10ランキングを知ってますか
全体的には、北欧諸国が上位にランキングされ、カタール、アラブ首長国連邦などの産油国も上位に入る結果となりました。北欧と産油国の初任給が高い背景にあるのが、土地や資源が豊富にある点です。ノルウェーやデンマークにも北海油田を有しており、産油国は豊富な石油資源を持っています。物価が高ければ給料も高く設定しなければなりませんが、国としてそうした給与体系でも社会や経済が成り立っていることも意味します。
大手企業の賃上げラッシュ
日本ではファーストリテイリング以外にも大手企業から賃上げ方針が相次いで報じられています。連合は春闘での5%の賃上げ要求を掲げており、経団連の十倉雅和会長もベースアップ容認の姿勢を打ち出し、会員企業に「物価に負けない賃上げをお願いしたい」と発言しています。その背景には物価上昇率があります。2022年11月の物価上昇率は3.7%と高騰しています。
日本生命が7%の賃上げ、サントリーホールディングスもベアも含めて月収ベースで6%の賃上げを検討、ロート製薬も年収を平均7%引き上げることを表明しています。消費者物価上昇率が賃上げ率を下回れば、社員が今の生活を維持することは難しくなります。
主要企業の賃上げ率は1997年の2.90%をピークに下降し、定昇のみのベアなし時代が長く続きました。今後、各社の賃上げは派生していくものと考えられます。政府はインフレ率を超える賃上げの実現を経済界に求めており、春闘での労使交渉にも影響を与えることが予想されます。賃上げは初任給のアップの試金石になることが予想されます。今や世界がつながっている以上、物価高、賃上げに少しでも追いついていかないと、日本は国際的に貧しくなるだけです。
このようなことから、ファーストリテイリングの「初任給30万円」は諸外国に比べると高くない、という指摘は当たっています。まずは国際的に低い給与水準を少しでも上げていくことから。ファーストリテイリングが特殊な存在にならず、日本国内の主要企業にも踏み出していってほしいものです。
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