コロナワクチン接種で放置される「副反応疑い死」 救済制度が機能しないため国民は泣き寝入り

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ところが、PMDAは、接種と死亡の因果関係を1例も認めていない。死亡事例の99%以上が「情報不足」などを理由に「評価不能」とされ、残りは因果関係が否定されている。医療の世界で先に患者を診た医師の判断をくつがえすには、相当な根拠が必要とされるのだが、「評価不能」のグレーゾーンに逃げ込んでいるようにもみえる。

そのPMDAから情報を送られた副反応検討部会は、定期的に「ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると考えられ、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず」とお墨付きを与え、大量のワクチン接種が継続されている。

しかし、遺族にとって「評価不能」の判定は心理的な落とし穴となる。夫を副反応疑いの心筋症で亡くし、幼い子どもを抱える30代の女性は、「評価不能ってどういうこと? 夫はどうして死ななきゃいけなかったの、とガックリきて、もう補償も無理だと目の前が真っ暗になりました」と語る。

ただし、諦めるのはまだ早い。副反応報告は安全性を調べるためのモニタリングの仕組みであり、本来、個別の救済とは関係ない。被害者を救う、もう1つの制度がある。「予防接種健康被害救済制度」がそれだ。こちらは「迅速に幅広く」被害者を救うことを目的とし、救済制度の本丸ともいえる。

救済制度で認められたのはわずか15件

救済制度の手続きは、被害を受けた本人(入院・後遺障害などの存命者)や遺族が、接種時に住民登録をしていた自治体に、「必要書類」を揃えて療養手当や死亡一時金(4420万円)の補償申請を行うところから始まる。申請は都道府県を経由して厚労省に送られ、厚労省の疾病・障害認定審査会で1件ずつ請求の認否が審議され、厚労大臣が最終判断を下す。事実上、審査会で救済するかどうかが決まる。

審議結果は厚労省から自治体を通して被害者や遺族に戻ってくる。否認されて死亡一時金が不支給となった場合、不服であれば都道府県知事に審査請求ができる。審査請求をしても主張が認められなければ、自治体の不支給決定の取消訴訟を起こすことも可能だ。

では、「迅速に幅広く」と掲げる救済制度は、家族を失った遺族をどのぐらい救っているのか。これが驚くなかれ、2022年12月12日時点で、遺族からの死亡一時金(4420万円)請求が、疾病・障害認定審査会で認められた件数は、わずか15件(90代4件、80代5件、70代4件、40代1件、20代1件)。審査が遅れる理由を厚労省の中堅幹部に聞くと、「マンパワーが足りない。例年の30倍ぐらいの申請が押し寄せているのに全然、人がいない」と述べた。

もっとも、遺族の声に耳を傾けると審査以前の問題が次々と浮かび上がる。

50代の大田義男さん(仮名)は、ファイザー製ワクチン2回目接種の3日後に急死した息子の死因を知りたくて、病院や行政機関に掛け合い、行き着いたのが被害救済制度だった。

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