「コロナ対策戦略の転換は、決して躺平(タンピン=やる気がなく何もしない状態)を意味しないし、まして政府が無為無策であってはならない」。経済学者の呉敬璉は財新のインタビューを受けてこのように警告した。「極端から極端に走るようなまねは絶対に避けなければならない」と。
ゼロコロナ政策を憂慮し続けてきた
現実の問題に関心を持つ経済学者として、呉敬璉はこれまでずっと中国のコロナ情勢の変化に強い関心を持ってきた。特に今年に入ってから、華北地方でのオミクロン株の感染例が急増しており、この問題を憂慮してきた。
12月7日、国務院の聯防聯控機構(中国のコロナ政策を決める最高決定機関)が、ゼロコロナ政策を大幅に緩和した「新十カ条」の対策を発表する一両日前、彼はあるシンクタンクにメールを送ったという。その中で、「ゼロコロナが不可能な状況になったいま、PCR検査、集中隔離、大規模な避難所建設に資源を費やす方法を改め、できる限り被害を減らす準備を急いですべきだ」と言及していた。
呉敬璉は、「3回目もしくは4回目のワクチンを普及させ、パクスロビド(Paxlovid、アメリカ・ファイザー製の経口コロナ治療薬)などを備蓄して重症患者を治療することで、老人や体が弱い人たちを十分に保護することが(被害を減らす)鍵となる」と言及した。
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