「所有物のほとんどは必要ない」と納得できる実験 手放すことに躊躇するなら実験を試してみる

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必要か不要か見極めるのに有効な方法があります(写真:アオサン/PIXTA)
「家の中を片づけよう!」と決意しても、いざものを捨てるとなると躊躇し、結局ほとんど片づかないということも。手放すかどうか迷ったとき、ある実験をすることでそれが本当に必要なものかわかります。本稿では、現代のミニマリズム運動を代表するジョシュア・ベッカー氏の最新作『より少ない家大全』より一部抜粋・編集のうえ、実験のやり方をお伝えします。

本当にこれは必要か?

家の中を一部屋ずつ片づけていく過程で、あなたは長年にわたってため込んだものたちとイヤでも向き合うことになる。そのうえで、どれを残し、どれを手放すかを決めなければならない。

私はここで、すべてのものについてその決断をすることをおすすめしたい。ただ見るだけでなく、必ず手に取り、そもそもなぜそれを買ったのか自問する。それはあなたに何をしてくれたのか。それをまだ持っておくべきなのか。この一連の質問を簡単にまとめると、「本当にこれは必要か?」という質問になる。

もし本当に必要なら、ぜひとっておくべきだ。そして、もし必要ないのなら手放せばいい。いずれにせよ、罪悪感を持つ必要はまったくない。

心理学の世界には「保有効果」という言葉がある。自分が保有しているものは、ただそれだけの理由で、実際よりも価値があるように感じるという意味だ。ものを手放すのがこんなにも難しい理由も、この保有効果で説明できる。ほぼ反射的に、「これは私のものだ!」としがみつきたくなるのだ。だからこそ、所有物の価値を正確に評価し、いらないものはいらないと冷静に判断することが大切になる。

そこで「本当にこれは必要か?」と自分に尋ねれば、ものへの執着から自分を解放することができるだろう。もちろん、人間が生きていくために必要なものはそれほど多くない。水や食べ物、家、服があればだいたい事足りる。しかしここで大切なのは、ただ生き残ればいいというわけではないということだ。

私たちは、自分の可能性を最大限に発揮することを目指している。私たちが追い求めているのは、もっと高い次元の目標だ。つまり、「本当にこれは必要か」と自問するとき、実際に私たちは「これは目標を達成する助けになるか? それとも目標達成の障害になるか?」という質問を自分に投げかけているのだ。

この考え方は、意思決定の強力な枠組みになる。もし何かを手放すかどうか迷ったら、「目標達成の助けになるか? それとも障害になるか?」という基準で判断しよう。

ここで注意してもらいたいのは、目標達成の助けになるというのは、必ずしも「実用的」(たとえば缶を開けるために缶切りが必要)という意味とはかぎらないということだ。純粋な美も、人間らしく生きるためには必要だ。

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