投資家向けの情報開示の変化は、2014年から少しずつ表れてはいた。2月ごろからアナリスト向けの工場見学会を開き、4月の決算発表では3年ぶりに決算参考資料として、決算短信以外の資料公表を再開している。
それどころか、今は会社が大変革期にある。契機は、現社長の父でファナックを営業利益率4割という高収益企業へ導いた、稲葉清右衛門名誉会長の引退だった。異変が起きたのは2013年10月。清右衛門氏は、当時務めていた、複数の本部長職や子会社の会長職を軒並み退いた。その後、堰を切ったように、経営体制の刷新が行われていった。
経営陣の意思決定のプロセスにも大きな変化があった。ファナック幹部によれば、「以前の役員会は名誉会長の顔色をうかがってばかり。今はコンセンサスが取れるよう社長が気を配り、活発な議論が行われている」という。現場社員からは「ここ10年ほど滞っていたことを、この1~2年でこなそうとしている」という声も聞かれる。
この記事は有料会員限定です
残り 1133文字
